在庫管理を効率的に〜ABC分析とは?〜

2021.01.14A0 生産管理

生産管理の効率性

ABC分析とは?

具体的な方法とそのメリットも含め、ご説明します。

 

ABC分析とは

在庫商品の金額や売上などの指標から重視する評価軸を決めて分類・管理・分析する方法が、ABC分析です。

各品目を、重視する評価軸のウェイトが大きい順にランク付けを行い、それを基にした分析を行います。

ウェイトが大きい品目に重点的に経営資源を配分することができれば、利益や売上をより効率的に向上させることができます。

そのために、ABC分析は効果的な手法だと言われています。

ABC分析は、企業の経営戦略の立案やマーケティングを考える上でよく使われるデータ分析の基本です。

ABC分析を活用することで、ビジネスをよりシンプルに分析・管理することができます。

運用も効率的になりますので、様々な場面で活用されています。

 

ABC分析の方法

ABC分析

ABC分析は、エクセルを使うと簡単にすることができます。

複雑な関数を使わなくてもすることができるので、多くの方が簡単にすることができるでしょう。

 

ABC分析をエクセルを用いて行う際の実例

A社が在庫削減活動に取り組む際のABC分析の活用方法を見てみましょう。

この際、まずは必要な情報の記載されたエクセルデータを用意しましょう。

 

この場合は、「品目名」「単価」「在庫数」です。

たとえば、下記のとおりです。

 

A社の在庫
部品 単価 在庫数
部品A ¥100 200
部品B ¥200 290
部品C ¥50 340
部品D ¥3,000 480
部品E ¥400 200
部品F ¥20 80
部品J ¥10 20
部品H ¥500 70
部品I ¥800 120
部品J ¥1,100 30
部品K ¥30 350

 

次に、各部品の合計在庫金額を算出しましょう。

※単価×在庫数で、算出することができます。

 

A社の在庫
部品 単価 在庫数 在庫金額
部品A ¥100 200 ¥20,000
部品B ¥200 290 ¥58,000
部品C ¥50 340 ¥17,000
部品D ¥3,000 480 ¥1,440,000
部品E ¥400 200 ¥80,000
部品F ¥20 80 ¥1,600
部品J ¥10 20 ¥200
部品H ¥500 70 ¥35,000
部品I ¥800 120 ¥96,000
部品J ¥1,100 30 ¥33,000
部品K ¥30 350 ¥10,500

 

次に、合計在庫金額が高い順に、並び替えをします。

並び替えに関係するセル全体を選択し、右上の「並べ替えとフィルター」を選択しましょう。

すると、下の画像のように小ウインドウが開きます。

最優先されるキーで、「在庫金額」を、順序で「降順」を選択しましょう。

 

在庫金額

そうすると、並び替えされ、下の表の表示になります。

在庫金額の大きいものから順番に並べ替えがされました。

 

A社の在庫
部品 単価 在庫数 在庫金額
部品D ¥3,000 480 ¥1,440,000
部品I ¥800 120 ¥96,000
部品E ¥400 200 ¥80,000
部品B ¥200 290 ¥58,000
部品H ¥500 70 ¥35,000
部品J ¥1,100 30 ¥33,000
部品A ¥100 200 ¥20,000
部品C ¥50 340 ¥17,000
部品K ¥30 350 ¥10,500
部品F ¥20 80 ¥1,600
部品J ¥10 20 ¥200

 

この次に、累積在庫金額を算出していきましょう。

一つ前の部品までの全合計に自身の合計を足すことで、導き出すことができます。

 

A社の在庫
部品 単価 在庫数 在庫金額 累積在庫金額
部品D ¥3,000 480 ¥1,440,000 ¥1,440,000
部品I ¥800 120 ¥96,000 ¥1,536,000
部品E ¥400 200 ¥80,000 ¥1,616,000
部品B ¥200 290 ¥58,000 ¥1,674,000
部品H ¥500 70 ¥35,000 ¥1,709,000
部品J ¥1,100 30 ¥33,000 ¥1,742,000
部品A ¥100 200 ¥20,000 ¥1,762,000
部品C ¥50 340 ¥17,000 ¥1,779,000
部品K ¥30 350 ¥10,500 ¥1,789,500
部品F ¥20 80 ¥1,600 ¥1,791,100
部品J ¥10 20 ¥200 ¥1,791,300

 

次に累積比率を計算しましょう。

累積比率は、各部品の合計金額を合計金額の総計で割ることで、導き出すことができます。

 

A社の在庫
部品 単価 在庫数 在庫金額 累積在庫金額 累積比率
部品D ¥3,000 480 ¥1,440,000 ¥1,440,000 0.80388545
部品I ¥800 120 ¥96,000 ¥1,536,000 0.85747781
部品E ¥400 200 ¥80,000 ¥1,616,000 0.90213811
部品B ¥200 290 ¥58,000 ¥1,674,000 0.93451683
部品H ¥500 70 ¥35,000 ¥1,709,000 0.95405571
部品J ¥1,100 30 ¥33,000 ¥1,742,000 0.97247809
部品A ¥100 200 ¥20,000 ¥1,762,000 0.98364316
部品C ¥50 340 ¥17,000 ¥1,779,000 0.99313348
部品K ¥30 350 ¥10,500 ¥1,789,500 0.99899514
部品F ¥20 80 ¥1,600 ¥1,791,100 0.99988835
部品J ¥10 20 ¥200 ¥1,791,300 1.00000000

 

これにより、すべてのデータを用意することができました。

 

次にグラフの作成を行います。

今回は、パレート図を作成します。

 

まずは、グラフを作成するのに使用するデータを含むセルを選択しましょう。

次に、メニュー「挿入」を選び、真ん中近くにある「おすすめグラフ」を選択しましょう。

そこから、パレート図を選び、選択することで簡単に作成することができます。

パレート図

 

このパレート図を見れば、部品Dが在庫金額全体の80%を占めていることがわかります。

効果的な改善を行うには、部品Dをターゲットにすればいいことがわかります。

 

おわりに

ABC分析とは、在庫商品の金額や売上などの指標から重視する評価軸を決めて分類・管理・分析する方法のことです。

ABC分析を活用することで、ビジネスをよりシンプルに分析・管理することができます。

運用も効率的になりますので、様々な場面で活用されています。

 

ABC分析は、エクセルを使うと簡単にすることができます。

複雑な関数を使わなくてもすることができるので、多くの方が簡単にすることができるでしょう。

 

具体的な活用事例を記事内でお伝えしました。

ぜひ、ABC分析を活用してみてはいかがでしょうか?

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