定期発注方式と定量発注方式の違いについて
2021.03.04A0 生産管理
在庫管理や調達管理を行う上で、余剰な在庫を持たないことは管理の基本となります。
そのためには、自社の事情に合った発注方式を選ばなければなりません。
ただ扱う材料や部品、製品によって適切な発注方式は異なります。
数ある発注方式の中でも一般的な「定期発注方式」と「定量発注方式」について、特徴や違いを見ていきましょう。
定期発注方式とは
定期発注方式とは、「1週間に1度」「毎月10日」といったように、一定の時期によって発注する方式です。
発注量は毎回異なっていてもよく、必要な量を発注できます。
発注量は、下記の計算式で求めることができます。
(計算例)
・発注量 =(発注間隔 + 調達期間)× 使用予定量 + 安全在庫 ― 現在の在庫量 ― 現在の発注残
定期発注方式は時期を基準としているため発注の作業スケジュールを立てやすいこと、またその時々の需要によって発注量を増減できることがメリットです。
一方で発注量の見極めが必要です。「知識や経験に基づいて需要を予測する」「在庫数を正しく把握する」といったように、発注量を決定するまでには手間がかかります。
定量発注方式とは
定量発注方式とは発注する量を基本としたもので、在庫が一定の量まで減ったときに決められた量を発注します。
発注の目安となる在庫の量を発注点といい、下記の計算式で求められます。
(計算例)
・発注点=(1日の在庫消費量×調達期間)+安全在庫
定量発注方式は発注する量が毎回同じなので、需要の予測を立てるなどの手間がかからず効率化を図れるのがメリットです。
ただ需要が増減した場合に素対応が難しいというデメリットがあるため、基本的には需要の変動が少ない製品に向いています。
定期発注方式と定量発注方式の違いと使い分け
定期発注方式と定量発注方式のそれぞれの特徴は、ほぼ逆といってもいいでしょう。
どちらかが優れているということはなく、違いを理解してを決める必要があります。
定期発注方式は、下記のような材料、部品、製品の管理に向いています。
・単価が高いもの
・需要の変化が大きく、予測が難しいもの
・陳腐化しやすいもの
・消費期限があるなど劣化しやすいもの
定量発注方式は下記のような材料、部品、製品の管理に使われます。
・単価が比較的低いもの
・需要が安定していて、一度にまとまった量の補充ができるもの
・量が多いもの
・入手しやすいもの
・劣化しにくく保管しやすいもの
ABC分析と併せた発注方式の使い分け
適切な発注方式を選択するためABC分析を用いた在庫管理を行う場合もあります。
ABC分析とは売上などの指標に従い、重要度が高い順にA、B、Cのグループに分類するものです。
<分類例>
A……需要が大きく動き、金額が高い品目
B……需要が大きく動くことの少ない、金額が高い品目
C……需要が大きく動くこともあるが頻度は少なく、金額は低い品目
Aは売上に大きく影響するものであるため、発注量の調整が可能な定期発注方式が適しています。
B、Cは売上への影響がAよりも少なく、欠品しづらいため、作業効率化を図ることが可能です。
従って定量発注方式を適用できます。
おわりに
以上、定期発注方式と定量発注方式の違いについて、説明してまいりました。
ご説明した内容を簡単にまとめると、
定期発注方式とは、「1週間に1度」「毎月10日」といったように、一定の時期によって発注する方式です。
定量発注方式とは、発注する量を基本としたもので、在庫が一定の量まで減ったときに決められた量を発注します。
定期発注方式と定量発注方式の違いと使い分けとしては、それぞれの違いを理解して提供する品目を決める必要があります。
定期発注方式は、下記のような材料、部品、製品の管理に向いているという特徴があります。
・単価が高いもの
・需要の変化が大きく、予測が難しいもの
・陳腐化しやすいもの
・消費期限があるなど劣化しやすいもの
定量発注方式は下記のような材料、部品、製品の管理に向いているという特徴があります。
・単価が比較的低いもの
・需要が安定していて、一度にまとまった量の補充ができるもの
・量が多いもの
・入手しやすいもの
・劣化しにくく保管しやすいもの
コラム編集部
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