プロセス製造業の難しい制約を生産スケジューラは考慮できる?〜「資源ロック」とは〜

2023.07.18A1:生産計画・スケジューリング

製造業では「消費者ニーズの多様化」や「短納期化」に対応するため、多くの企業が多品種少量生産を採用しています。

プロセス製造業にもその動きは広がっており、ある化学メーカーは繊維加工をベースにして、化粧品や自動車部品などのさまざまな製品に技術を応用しています。

製品ラインナップが多く短納期ともなれば、これまで以上に生産計画を詳細かつ、高頻度に回す必要がありますが、それは生産スケジューラが役立つケースとも言えます。

プロセス製造業の生産計画で制約になるもの

プロセス製造業で生産スケジューラを導入する場合、複雑な制約を考慮する必要があります。

たとえば多くの化学工場や飲料工場では原料を調合するためにタンクを使用します。液体はタンクから配管を通って次工程の充填へと流れますが、生産計画でのポイントは、タンクに貯めた液体が完全に無くなってからでないと、種類の違う原料を混合できないことです。

「充填工程が終わるまで次の原料の調合ができない」という点はプロセス系特有の制約であり、生産スケジューラでもこの辺りを考慮しなければなりません。

弊社製品Asprovaでは標準機能以外にオプション機能を用意しており、プロセス製造業の複雑な制約にも対応できるようにしています。

先ほど取り上げた制約の場合、「資源ロック」と呼ばれるオプションを使うことで生産計画に加味できます。

資源ロックとは

資源ロックは、作業終了後に他の作業が割りつかないようにロックする機能です。

プロセス製造業で言えば、後工程の充填が終了するまで混合工程において他のオーダーが割りつかないようにします。つまり、タンクが空になるまで次の原料を投入しないようにできるわけです。

上図だと、網目がかかった長方形が資源ロック機能を使って資源をロックした時間帯となります。オーダー1の充填工程が終了するまで、オーダー2が混合工程に割りつかないようになっています。資源ロックオプションを使わないと、網目状の長方形部分にオーダー2が割りつく可能性があるのです。

以上のように資源ロックオプションは、プロセス製造業の制約条件を上手く考慮してくれますが、Asprovaは資源ロックだけでなく、様々な業種業態の製造業様の要件を満たすことができるオプション機能を用意しております。


(了)


技術革新や予測不能な外的要因に迅速に対応できるよう製造業務においては、より一層生産プロセス全体の改善と生産効率向上が求められています。 データやデジタル技術を活用し、生産リードタイム短縮や在庫・コスト削減などを実現する製造現場におけるDX推進の一つとして、生産スケジューラの導入がカギとなります。 次のページでは、生産スケジューラ導入によって具体的にどのような業務改善が実現したのか導入企業の事例もご紹介しています。ぜひご参考にしてください。 img_banner_aps