化学工場の事例~生産スケジューラ導入で生産計画の見える化を実現!
2022.05.18A2:導入事例化学工場がどのようなものを製造しているのか、すぐにイメージできる方は少ないのではないでしょうか。
広く普及されているスマートフォンなどとは違い、消費者の手に直接渡る機会は少ないのが化学製品です。
化学製品はプラスチック製品や液晶パネルなどの材料や、半導体の製造に使用されていることから、供給が遅れるとさまざまなものの生産に影響します。
本記事では、化学工場における課題や実際の改善例をご紹介します。
化学工場で抱える課題について
化学現場における現在の重要課題としては、下記のようなものが挙げられます。
・複雑な制約があるタンク設備
化学工場で多く用いられているタンク設備には、複雑な制約があります。
また、洗浄メンテナンスなどにも対応しなければならないため、効率の良い生産計画を立てることが求められます。
・品目の単位
工程毎に品目の単位が異なったり、同じ品目でも荷姿によって数量や製品コードが異なったり、それらを紐付けて計画する必要があります。
・品質的な課題
化学製品は場合によって反応時間など工程間の時間間隔を厳しく制約する必要があります。
生産スケジューラ導入で改善できたこと
生産スケジューラを導入することによって、在庫や納期の適切な管理はもちろんのこと、工数削減や複数部門との連携にもつなげることが可能です。
こちらでは、実際に生産スケジューラを導入したことによる改善事例を2点ご紹介します。
改善事例1:半製品と製品の紐づけ自動化
課題:計画立案の時間と作業負荷がかかっていた
Asprovaは2008年に導入済みでしたが所要量計算までAsprovaで実施しようとし、使い方やメンテナンスが複雑になっていました。
ERPシステムの導入を検討していたときに生産計画機能が弱いことに気づき、Asprovaの再活用を決めました。
ERPシステムでは、仕込み後の中身の生産と充填後のどの製品が紐づいているかの判断が困難なため、その点を補う形で挙がったのがAsprovaです。
生産スケジューラ導入後の効果:処理速度が改善され、各部門への共有もできるように
ERPシステムのMRPと、Asprovaを併用することにより、スケジューラの使い方をシンプルにすることができました。
再立ち上げ後、1度の処理にこれまで半日程度かかっていたリスケジュール時間が数秒にまで改善され、計画時間については調整を含めても1~2時間程度と改善に成功しています。
また、業務、営業と他部門にもいつ製品ができるかが共有できるようになりました。
改善事例2:1回あたりのリスケジューリング時間が6分に
課題:予定の確定や必要な原材料の数量把握に多大な手間と時間がかかっていた
生産スケジューラ導入前は、基幹システムから生産管理や製造、アセンブリといった各チームが情報を受け取って、所要量計算と予定の作成をチームごとに行い情報交換をしていました。
そのため属人性が高く、予定の確定や最終的に必要な原材料の数量を把握するために、各チームに多大な手間と時間がかかっていました。
生産スケジューラ導入後の効果:業務フローの見える化、計画時間短縮
現在では基幹システムからAsprovaが各種データを受け取り、生産管理チームがリスケジュールを行い、各チームの担当者に共有しています。
Asprovaの標準機能である式を活用し、細かいロスを考慮した、MRP、生産計画立案を可能としています。
また、その上で時間がかかっていたリスケジュールも、今では1回あたりの計算時間が6分程度と大きく改善できています。
生産スケジューラで実現する「見える化」
生産計画の「見える化」を実現する生産スケジューラ。
生産スケジューラを導入することで、受注、製造、購買のスケジュールを同時に計算したり、製品・半製品の在庫や購買品在庫と紐づけたりすることができます。
在庫や製造オーダー、納期状況や原料過不足、在庫との紐付きなどを画面上で確認できるようになります。
コラム編集部
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