情報共有の事例~生産スケジューラ導入で開発工期80%削減!
2022.06.17A2:導入事例社内で担当者や部門間でスムーズな情報共有が行えることは、生産効率を向上させるために有効な対策のひとつです。
工場において、情報共有を行うためのツールとして生産スケジューラを利用している企業もあります。
本記事では、生産スケジューラを情報共有ツールとして活用するための方法を、事例を用いてご紹介します。
社内で情報共有ができていないことにより発生する課題
工場において社内で受注や設計、実績といった情報の共有ができていない場合、生産業務の工数が増えたり、部門間をまたいで多くのやり取りが必要になったりします。
その結果、多くのムダな時間や原材料、工数が発生します。
スタッフや部門間での情報格差をなくすことでさまざまなムダを省くことができるため、工場において情報共有は業務改善のために重要な要素のひとつであると言えます。
生産スケジューラ導入で改善できたこと
こちらでは、生産スケジューラを導入したことによってリードタイムの短縮が実現できた事例をご紹介します。
改善事例1:資材発注の精度UPやスケジューリング時間の削減
課題:スタッフの勘に頼った運用だったため、発注量や時期の精度に問題がある
これまでは「この時期にこれだけの量の発注が来るだろう」といった、ベテランスタッフの勘による運用を行っていました。
その結果、在庫の過不足や多くの納期調整を行わなければなりませんでした。
そのため、より高い精度で生産するために現状の「見える化」が課題でした。
生産スケジューラ導入後の効果:現状の「見える化」により、生産効率を改善することができた
生産スケジューラを導入したことにより、製造担当者だけではなく営業担当者も工場の状況を詳しく知ることができるようになりました。
その結果、在庫状況や製造計画の進捗状況を容易に確認できるようになったため、業務改善を行うことができました。
改善事例2:リアルタイムに現場情報を活用することで生産性を改善
課題:リスケジュール時間と生産時間短縮
以前は自社開発したシステムで生産管理を行っていましたが、1作業のスケジューリングに5~10分ほどかかっていました。また、あるオーダが終わったら次の優先順位の高いオーダを割り付けるといった都度計画をするやり方で、月単位の計画が見えませんでした。
生産スケジューラ導入後の効果:スケジューリング作業と生産時間・開発工期の削減
生産スケジューラを導入したことにより、自動で部品展開、工程展開を実施、加工機械ごとのスケジューリング作業が1~2秒以内に終わるようになりました。
実際の運用方法としては生産実績・稼働実績・品質情報といった現場情報をリアルタイムに吸い上げ、それらを活用することで、品質・工期・生産性などの改善に役立てることができました。
また、開発工期は80%程度削減することができました
情報共有を行うことでスムーズなやり取りを実現
情報共有は製造担当者だけではなく、営業担当者にも共有することにより、在庫量や進捗を容易に確認ができるようになります。
また、近い将来に受注する案件がある場合、あらかじめ営業担当者が現場の状況を確認してから製造担当者に原材料の発注を依頼することで、注文を受けやすくなります。
おわりに
本記事では生産スケジューラを利用した社内での情報共有について解説しました。
社内で情報共有が行えていない場合、生産業務の工数が増えたり、部門間をまたいで多くのやり取りが必要になったりするため、多くのムダが発生します。
そのため、スタッフや部門間での情報格差を無くすことが生産効率を向上させる方法のひとつです。
下記、情報共有を行うことで解決することができる課題の一例です。
- 現状の見える化による工数・納期の把握
- スケジューリング作業と生産時間の削減
生産効率を改善するために、生産スケジューラを利用してリアルタイムの情報を共有しましょう。
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コラム編集部
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