個別受注生産の事例~リードタイムを40%削減して納期短縮を実現!
2022.10.03A2:導入事例個別受注生産はオーダーごとに設計、仕様が変わるため、手作業で生産計画を管理している場合は、計画精度に問題があるだけではなく、計画立案や変更に多くの時間を要します。
生産スケジューラを使用することによって、個別受注生産の生産計画立案作業はどのように改善されるのでしょうか。
本記事では、個別受注生産における生産スケジューラの活用方法を、事例を用いてご紹介します。
個別受注生産における課題
一般的に個別受注生産では、引き合いの段階でおおよその計画を立て、納期回答をしたうえで受注します。しかし、受注後も納期調整や工程変更などが何度も発生するだけではなく、下記のような課題が発生します。
- 熟練の計画担当者が一手に計画立案を担っていることが多く、現状の負荷をきちんと加味することが難しい
- 製造中のプロジェクトの進捗管理や、設計変更に伴う再計画に手が回らない
- 納期が迫っているプロジェクトの対応に時間を割かれ、納期遅れが多発する
生産スケジューラ導入で改善できたこと
こちらでは、生産スケジューラを使用したことによる個別受注生産の改善例をご紹介します。
■改善事例1:工場全体を見える化し、工場全体の「見える化」に成功
小林クリエイト株式会社 様
https://www.asprova.jp/casestudies/k-cr.html
課題:オーダーごとに異なる条件に対応できない
印刷業では顧客により印刷する内容や封筒、インキ、カッターなどが異なります。
これらの要素を加味して納期を遵守するためには、生産計画に高度な技術が必要ですが、手作業では精度の低さと工数の多さに懸念がありました。
生産スケジューラ導入後の効果:事業間でシームレスな連携を行うことで生産計画の最適化を実現
生産スケジューラを導入し、基幹システムと連携を行うことによって、全体の最適な生産計画を立案することができるようになりました。
その結果、計画業務の時間あたりの生産量を30%以上改善することができました。
また、他部門へのビューワライセンスの導入により、進捗状況の見える化を実現、生産管理部門への問い合わせ業務工数も大幅に削減しました。
■改善事例2:属人的な生産計画の立案から脱却、標準化の実現
株式会社三井E&Sマシナリー様
https://www.asprova.jp/casestudies/mes.html
課題:手作業による生産計画立案のため、精度と納期遵守率の低さが課題
生産計画は知識や経験が豊富なベテランが立案していました。大型の製造設備を止めないよう稼働させるための生産順序の決定はベテランのみが持つ匠の技で1~2か月の直近の計画立案がやっとでした。
しかし、3か月目以降については仕事量の把握程度となっており、直近になってからでなければ生産状況が確認できない点が課題でした。
生産スケジューラ導入後の効果:各工程の「見える化」と短期・中期・長期の一貫計画立案の実現
生産スケジューラを導入したことで、生産計画の立案を人からシステムへ移行することができるようになりました。
その結果、誰でも高精度な生産計画を立案することができる、標準化を実現しました。
また、ボトルネックとなっている工程や進捗状況などの「見える化」と、一貫性がある短期・中期・長期計画の立案を実現することができました。
受注ごとに条件が異なる案件でも生産スケジューラが活躍
生産スケジューラを有効活用することで、さまざまな条件での個別受注生産にも対応することができるようになり、高精度な生産計画の立案と納期遵守率を改善することができます。
これまで多くの知識と経験を持つベテランスタッフに頼っていた生産計画の立案も、専門知識が無くても高精度なものを立案することができるようになるだけではなく、短・中・長期の同期した計画立案、変更などにも迅速に対応することができるようになります。
おわりに
本記事では、個別受注生産における生産スケジューラの活用方法について解説しました。
個別受注生産は受注ごとに要件や内容が異なるため、納期調整や工程変更が発生するなど、多くの課題がありました。
生産スケジューラを使用することで、ベテランスタッフではなくても高精度な生産計画を立案することができ、各工程の見える化が可能となります。
コラム編集部
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