リードタイム短縮の事例~多工程の生産スケジューリングで製造リードタイムが1/3に短縮!
2022.06.13A2:導入事例受注から納品までのリードタイムが長いと、滞留在庫が増えコストが増大したり競合他社に受注が流れてしまったりする可能性があるため、できるだけ短くしたいものです。
リードタイムを短縮するためには、どのような方法を採れば良いのでしょうか。
本記事では、生産スケジューラの導入によるリードタイムの改善について、事例を用いてご説明します。
リードタイム短縮の課題
リードタイムを短縮するためには業務を効率化する必要があり、下記の方法が挙げられます。
- 日単位から時間・分などの細かい時間単位で計画
- 段取り時間の削減
- 小ロット化
- ボトルネック工程の把握とボトルネック工程を中心とした作業計画
しかし、生産ラインの能力や負荷などを正しく把握せずに上記を行うと、かえってリードタイムやコストが増えてしまう可能性があります。
リードタイムを短縮するには現状を可視化し、どの作業にメスを入れるべきなのかを考慮する必要があります。
生産スケジューラ導入で改善できたこと
こちらでは、生産スケジューラを導入したことによってリードタイムの短縮が実現できた事例をご紹介します。
改善事例1:生産計画業務の負荷軽減
課題:生産ラインの能力を考慮した計画が立案できていなかった
受注や変更・追加が発生した際に製造現場の負荷が見えておらず、1日で生産できる量以上の指示が出ることもありました。
そのような場合は製造現場で生産時期を調整していましたが、リードタイムの長期化による納期遅れや必要な原材料を確保することができないといった点が課題でした。
生産スケジューラ導入後の効果:負荷や在庫の見える化により生産リードタイムの短縮に成功
製造現場の負荷を数値として見ることができるようになったため、実現可能な生産計画を立案することができるようになりました。
ボトルネック工程の負荷平準化及び段取り最小化を行い、生産リードタイムが17%短縮されただけではなく、計画工数も週4日から週2日に半減することができました。
改善事例2:製造リードタイム・仕掛在庫・生産計画立案時間を短縮
課題:リードタイムの長期化や在庫のムダが発生していた
多品種少量生産かつ複雑な生産プロセスの製品を製造する際は、計画立案に膨大な時間を費やしていただけではなく、前後工程の進捗が把握できないため、リードタイムの長期化や作りすぎによる在庫のムダが発生していました。
生産スケジューラ導入後の効果:製造リードタイム・仕掛在庫・生産計画立案時間を短縮
生産スケジューラの導入によって、製造リードタイムと計画立案・確認・修正にかかる時間をそれぞれ約1/3に短縮することができました。
また、段取り適正化など効率的な計画により仕掛在庫の削減に成功しています。
生産スケジューラを活用してリードタイムを短縮しよう
手作業の計画では、精度に懸念があるだけではなく、計画の確認や修正といった作業が発生するため、多くの時間を費やします。
生産スケジューラを使用すれば作業ごとの負荷や時間を含めて製造プロセスを一元化し可視化できるため、ムダを省き、結果としてリードタイムを短縮することができます。
リードタイムを短縮することにより、下記のようなメリットがあります。
- 在庫の削減
- 間接人員の削減
- 変化が激しい市場に対応することができる
おわりに
本記事ではリードタイム短縮についてご説明しました。
リードタイムを短縮するためには、下記の方法が挙げられます。
- 日単位から時間・分などの細かい時間単位で計画
- 段取り時間の削減
- 小ロット化
- ボトルネック工程の把握とボトルネック工程を中心とした作業計画
生産現場の負荷や能力が正しく把握できていないかったり、前後の関係が把握できていないと細かい単位での実現可能な生産計画を立案することができず、結果としてリードタイムの長期化や仕掛在庫の増加といった課題が発生します。
負荷や能力を反映した、効率的で詳細な計画立案によってリードタイム短縮が望めます。