納期遵守率向上の事例~生産スケジューラの導入により納期遅延率が1/3に激減!
2022.06.17A2:導入事例メーカーにおいて納期を遵守することは、お客様との約束を守ることと同じ意味合いであるため、期日内に納品をしたいものです。
しかし、生産現場の状況により納期が遅れてしまうことがあります。
納期遅れは何が原因で、どのように解決すれば良いのでしょうか。
本記事では、生産スケジューラを導入したことによる納期遵守率の向上について、事例を用いてご説明します
納期遵守ができない原因と課題
納期遵守ができない原因として、営業と製造部門間で情報の共有ができておらず、工場の生産能力を超える受注を受けてしまったり、設備故障、作業者の欠勤、資材入荷の遅れ、不良の発生などの、進捗の管理や、変化への迅速な対応ができていなかったりすることが挙げられます。
いずれも、生産ラインの能力を考慮した計画が立てられていないことが原因のひとつであり、生産現場の「見える化」が課題となります。
生産スケジューラ導入で改善できたこと
こちらでは、生産スケジューラを導入することで納期遵守率を改善することができた事例を2点ご紹介します。
改善事例1:生産ラインの能力を考慮した計画を自動立案可能に
課題:実現可能な計画立案や在庫削減、生産リードタイムの短縮
様々な分野を対象とした多岐にわたる製品を生産している同社では、生産対象品目の増加により加工現場の能力を考慮した計画立案が困難になっていました。
そのため、実現可能な計画立案や在庫削減、生産リードタイムの短縮だけではなく、計画立案や調整などを行う工場スタッフの負担軽減も課題となっていました。
生産スケジューラ導入後の効果:計画立案の負担軽減、生産リードタイムの短縮、納期遅れの減少
生産スケジューラを導入したことによって、現場の負荷を考慮した、生産効率を向上させる計画の立案が自動でできるようになりました。
また、仕様変更や機能の追加があった場合も随時変更が可能で、柔軟に対応ができるだけではなく、納期遅れも減らすことができました。
改善事例2:生産リードタイム、実現可能な生産計画を立案する時間の短縮
課題:多品種少量生産の割合が増加し生産リードタイムや計画立案時間、仕掛在庫量が増加
販路拡大のためにさまざまな業界へ販売した結果、多品種少量生産の割合が増加しました。
そのため、細かいロットでも効率良く生産するために生産リードタイムや計画立案時間、仕掛在庫量を調整しなければならない点が課題でした。
生産スケジューラ導入後の効果:生産リードタイム・計画立案時間、仕掛在庫量が約1/2に改善
生産スケジューラを導入したことにより、多品種少量生産で細かいロットでの生産に対応することができるようになりました。
具体的には、これまでラインで管理していた計画を、スケジューラでマシン1台ごとの効率的な計画を自動立案することで、リードタイム短縮と納期遅延率が1/3未満に減少することが実現できました。
生産スケジューラを有効活用して実現可能な生産計画を立案しよう
納期遵守率を改善するためには複数の顧客からの受注に対して、限られたリソースを効率的に活用し、段取り時間を削減したり、作業の順序を検討することで製造リードタイムを短縮したりする必要があります。
そのためには、実現可能な生産計画を立案することと、設備故障や、材料の入荷遅れなどの変化に迅速に対応することが必要です。
しかし、人手では生産現場の能力や進捗状況を考慮して生産計画の立案が困難です。
そのため、生産スケジューラを活用して高クオリティな生産計画を立案しましょう。
おわりに
本記事では、生産スケジューラを利用した納期遵守率を向上させる方法を、事例を用いてご説明しました。
納期遵守ができない原因には、下記の原因が挙げられます。
- 営業と製造部門間で情報の共有ができておらず、工場の生産能力を超える受注を受けてしまう
- 設備故障、作業者の欠勤、資材入荷の遅れ、不良の発生などの、進捗の管理や、変化への迅速な対応ができていない
納期遵守に関し、生産スケジューラを導入して改善できる点として、
- 現場の負荷を考慮した、生産効率を向上させる計画の立案ができるようになる
- マシン1台ごとの効率的な計画を自動立案することで、リードタイム短縮と納期遅延率の低減を実現
といったことが挙げられます。
コラム編集部
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