繊維工場の事例~ボトルネックを解消し、生産リードタイム短縮と在庫削減を実現!
2022.10.03A2:導入事例「いとへん業界」とも呼ばれる繊維業界では、染色や織りといった、さまざまな工程を経て製品化されます。そのため、生産計画の立案者にはさまざまな負荷が発生し、多くの時間を要します。
本記事では、繊維工場における生産スケジューラの活用事例をご紹介します。
繊維工場の課題
繊維業界の作業は、大きく「前工程」「染色」「後加工」の3つに分けられます。
前工程
糊を落としたり、布地を縫い合わせて幅を固定したりします。
染色
繊維を染色機の窯に入れて色を着ける工程です。
後加工
消臭や防炎加工などを施します。
これらの作業を効率良く行うためには、染色や原材料の調達、染色釜の洗浄などを改善する必要があります。
また、さまざまな工程を一人の人間で管理・対応することが難しい点も課題として挙げられます。
生産スケジューラ導入で改善できたこと
こちらでは、生産スケジューラを使用したことで改善した事例を2つご紹介します。
■改善事例1:作業時間の短縮と熟練者に頼らない計画立案を実現
ナテック株式会社 様
https://www.asprova.jp/casestudies/natec.html
課題:生産計画の立案者に大きな負担がかかっていた
「前工程」「染色」「後加工」の計画を、生産計画の立案者が手書きで3~4時間かけて実施していました。受注入力などほかの作業が入ることにより、生産計画の立案作業が後ろ倒しになっていたことや、納期回答や計画変更に多くの時間を要していたことが課題として挙げられます。
生産スケジューラ導入後の効果:計画変更のしやすさや処理速度の速さにより、負担軽減を実現
生産スケジューラを有効活用することで、ホストからデータを直接取り込み、データ入力時間が手作業の半分以下になっただけでなく、染色後の釜の洗浄回数が少なくなるよう計画することにより生産効率のUPが実現できました。計画担当者の残業は大幅に削減され、また、納期回答や計画変更が容易になり、費用対効果が改善されました。
■改善事例2:スケジュール立案時間を半減し、在庫量も約45~50%削減
住江織物株式会社 様
https://www.asprova.jp/casestudies/suminoe.html
課題:多くの作業工程があるため、工場の稼働実績を把握できなかった
製品の多様化により染色や製品検査など、製造の際には多くの工程が発生します。
しかし、作業の流れに混乱が起きやすく、現状が把握できないため手作業での生産計画の立案には多くの時間を要していました。
生産スケジューラ導入後の効果:ボトルネックの工程や最適な投入ロットの「見える化」を実現
生産スケジューラを活用することで、ベテランスタッフの勘と経験を頼りにしていた立案作業が自動化され、高精度な計画を作ることができるようになりました。
また、作業の見える化が実現できたため、ボトルネックの発見も可能となりました。
繊維業界でも生産スケジューラは必須である
さまざまな工程を経て製造する繊維業界でも、生産スケジューラを使用することで、高精度な生産計画を立案、計画変更への迅速な対応ができるようになります。
また、作業全体の見える化ができるため、ボトルネックとなっている作業を発見することができる点もメリットと言えます。
ボトルネックを解消することによって生産が最適化されるため、生産リードタイムの短縮や在庫削減といった、経営に関わる費用についても改善することができます。
おわりに
本記事では、繊維業界における生産スケジューラの活用事例をご紹介しました。
繊維業界の作業は、大きく「前工程」「染色」「後加工」の3つに分けられますが、さまざまな工程を一人の人間で管理・対応することが難しいといった課題がありました。
生産スケジューラを使用することで、下記を実施することができます。
- 高精度な生産計画を立案、計画変更への迅速な対応ができるようになる
- 作業全体の見える化による、ボトルネックとなっている作業の発見
- 生産リードタイムの短縮
- 在庫削減
コラム編集部
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