見える化の事例~生産スケジューラ導入により生産量を過去の実績換算で16%アップ!
2022.06.13A2:導入事例スループットを向上させるためには、生産ラインや設備機器の稼働状況が「見える化」できていなければなりません。
本記事では、生産現場において見える化ができていないことにより発生する課題や解決方法について、事例を用いてご説明します。
見える化ができていないことにより発生する課題
生産現場で見える化が行えていないことにより発生する課題は下記の通りです。
- 設備・作業者の実際の負荷がわからない
- どこでどの作業を行っているかがすぐわからない
- トラブルなどで遅れが発生してもすぐ把握できない
- 生産効率が上がらない
これらの課題を解決することにより、生産設備の持つ能力をさらに引き出し生産量をUPしたり、ネック工程の問題の解消によりスループットの向上が望めます。
生産スケジューラの導入による見える化が実現できた事例
こちらでは、生産スケジューラを導入し見える化したことにより業務改善が実現できた事例をご紹介します。
改善事例1:改善ポイントの発見
課題:手作業による計画では、生産数量の変動に対応した生産計画を立案することが困難
こちらの企業は季節や需要など外部要因による生産量の変動が大きく、製品ライフサイクルが短い業界に属しています。
扱っている品種も多く変更も多いため、生産計画の立案は経験豊富なベテラン社員に頼っていました。
販売量の増加に伴い、生産計画業務の効率化と脱属人化の必要がありました。
生産スケジューラ導入後の効果:生産量を過去の実績換算で16%アップ、生産計画の変更にも柔軟に対応
生産スケジューラを導入したことにより、手作業よりも素早く簡単に生産計画の変更を行うことができるようになりました。
また、生産工程とさまざまな条件をマスター化して、工程間の紐付けを表現、見える化により、生産設備の持つ能力をさらに引き出すスケジューリングも可能になりました。
その結果、生産量を過去の実績換算で16%アップが実現できました。
改善事例2:材料調達と納期遵守の実現
課題:スタッフ間に思考の違いがあり、納期を考慮した計画ができない
管理者はスケジュールを後ろから押さえる「バックワード思考」を持つのに対し、現場スタッフは目の前の作業を行う「フォワード思考」を持っています。
今あることから処理していくスタイルで、納期が守れなかったり、調達が間に合わなかったりといった点が課題として挙げられました。
生産スケジューラ導入後の効果:スタッフがさまざまな視点を持つことができたため、納期遵守と顧客からの信頼を獲得
生産スケジューラを導入したことにより、工程と進捗を見える化し、スケジュールを後ろから押さえて納期通りに納品するために今何をするべきかといった思考を各スタッフに持たせることができました。
その結果、必要な量の材料調達や納期遵守を実現することができるようになりました。
生産スケジューラを活用することで見える化を実現しよう
見える化は作業にかかる時間や負担の量を数値化することを指し、各作業時間や負担が把握できれば、解決方法を見出すことができます。
従来であれば個人の経験則で行っていた改善案の立案も、生産スケジューラを使用すれば数値に基づいた改善案を高速で立案することができるようになります。
生産業務を改善するためには、まずは生産スケジューラを導入して現状の見える化を行う必要があります。
おわりに
本記事では生産現場の見える化についてご説明しました。
見える化が行えていない場合、下記の課題が発生します。
- 設備・作業者の実際の負荷がわからない
- どこでどの作業を行っているかがすぐわからない
- トラブルなどで遅れが発生してもすぐ把握できない
- 生産効率が上がらない
生産スケジューラを導入することにより見える化を実現し生産設備の持つ能力をさらに引き出すスケジューリングが可能になり生産量をUPするなどの効果をあげることができます。
コラム編集部
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