導入事例から学ぶ~複雑な生産スケジューリングをAsprovaで実現するには

2023.11.21A3:生産スケジューリングの悩み相談

生産スケジューラを導入した際、思ったようなスケジューリング結果が出ないといったケースを耳にすることがあります。その要因の一つは、生産スケジューリングの複雑さにあるのかもしれません。

たとえば医薬品製造の場合、製造する品目が多いうえに、多種多様な制約条件も考える必要があります。半製品の錠剤バルクが同一品目でも、梱包数量が違うと製品の品目が変わる、など医薬品特有のルールが生産スケジューリングをより複雑にします。

生産スケジューラで実現したい要件はその難度が高くなればなるほど、実装するのが難しく、結果として冒頭のような悩みにつながるのではないでしょうか。

しかし、「導入当初はAsprovaを活用できていなかったが、後にAsprovaの再構築に成功した」というユーザー様もいます。その導入事例を引用しながら、難しい制約条件をいかに生産スケジューラで実現すればよいかを見ていきましょう。

導入の3ステップ

Asprovaを導入する際は、一般的に以下のステップを踏むことが大切です。

(1)自社の業務を分析する
(2)業務上の課題を抽出する
(3)課題の解決方法をAsprovaで実装する

Asprovaでどう実装するかを考える前に、まずは(1)(2)を行います。企業によってはこの2つを明確に区別せず、同時に行う方がよい場合もあるでしょう。業務上の課題としては「計画立案業務が属人化しており、担当者不在により別の人が計画を立てると、現場でトラブルが発生する」「段取り時間を加味できない」などが挙げられます。

そして(3)です。Asprovaには多彩な機能がある故に、「何をどう使ったらよいか分からない」といった声を聞くこともあります。難しい要件であればあるほど、実装するには知見が必要です。ある医薬品メーカーのお客様も、在庫削減や効率のよい生産を追求するためにAsprovaを導入しました。しかし、導入当初はうまく活用できず、30点ぐらいの生産計画しかできなかったようです。

その理由は、数百種類に及ぶ医薬品に加えて、医薬品特有のルールをAsprovaでうまく設定できなかったためです。

再構築が成功した決め手

しかしアスプローバ社に相談を持ちかけてパートナーを紹介されたことで、状況が好転します。医薬品特有のルールについてはAsprovaできちんと反映でき、生産計画の作成にかかる時間が1/4になるまで活用できるようになりました。

導入パートナーからは、「徹底した業務分析と課題抽出が導入成功の決め手になった」との言葉がありました。先述の(1)と(2)を詳細に分析していたからこそ、Asprovaでの実装も成功したと言えます。

ただ計画業務は外部環境の変化に対応しなければなりません。計画業務が変化すれば生産スケジューラももちろんそれに合わせて変えていく必要があり、その時にも(1)~(3)のステップが重要になります。

紹介した事例については、導入事例でご確認いただけます。


(了)


技術革新や予測不能な外的要因に迅速に対応できるよう製造業務においては、より一層生産プロセス全体の改善と生産効率向上が求められています。 データやデジタル技術を活用し、生産リードタイム短縮や在庫・コスト削減などを実現する製造現場におけるDX推進の一つとして、生産スケジューラの導入がカギとなります。 次のページでは、生産スケジューラ導入によって具体的にどのような業務改善が実現したのか導入企業の事例もご紹介しています。ぜひご参考にしてください。 img_banner_aps