困ったこと35~Asprovaを何に活用したらよいのか迷った

2023.10.18A3:生産スケジューリングの悩み相談

 アスプローバ社では、スケジューラ導入に関する悩みごとを解決するため、「困った事35」をまとめています。その中に「Asprovaを何に活用したらよいのか迷った」というのがあります。想定されるのは、経営層から生産スケジューラを検討するよう指示が出た場合です。コンサルタントによるアドバイスのケースも考えられます。そんな時に役立ちそうなことを弊社のコンサルタントに聞きました。

現場の課題を確認する

 DX、IoT、AI、といった言葉を聞かない日はありません。そんなITトレンドを自社に取り込み、他社との差別化を狙ったり、遅れをとらないようにしたいと、経営者は考えます。そこでスケジューラはどうなのかと。トップダウンの指示が出てくるのですが、さてどう対応したらいいでしょう。

 手始めに、2つのことをやってみましょう。1つ目は課題調査、もう1つはツール調査です。

 生産現場には課題があるはずです。サプライチェーン上の業務課題を明確にして、その解決策として生産スケジューラを活用できないか、調べます。これまで弊社に持ち込まれたさまざまなケースでは、改善したいことが、生産スケジューラで解消するべき課題なのか、整理ができていないことがあります。その問題は、生産スケジューラで改善すべきなのか、それとも別の手段で改善すべきなのか、考えてみましょう。

 弊社が設けている「ナレッジセンター」には、導入検討チェックシートがあります。これを活用して課題の整理をしてみるのも一手です。

 また他社の事例も参考になるかもしれません。他社の狙いや課題はどこにあるのか、探ってみましょう。スループットの向上、リードタイム短縮、在庫削減、納期遵守、計画サイクル短縮、見える化、工程情報の共有化、コミュニケーションの活性化など、候補となる目的はたくさんあります。最も必要とされる課題は何か、じっくり考えてみましょう。Asprovaに関する事例は弊社ホームページの事例ページにまとめられています。

スケジューラを知る

 

次は、ツール調査です。生産スケジューラ「Asprova」がどういうものなのか、を把握しなくてはなりません。主な誤解としては、作業者を考慮した計画を立てられることを知らなかったり、生産管理と同じと思っていたり–などがあります。他のスケジューラと混同されることもあります。

さらに生産スケジューラを動かすために準備すべきことを把握します。

 生産スケジューラの理解が深まっていくと、計画立案時間の短縮、再計画の多頻度化、が実感できるようになり、前後工程の同期、時間単位や資源単位の粒度といったあたりが特徴であることがわかってくることでしょう。現状の計画業務で、このようなところまで踏み込むことで改善効果がありそうか、検討してみましょう。

 Asprovaについては、製品紹介セミナー、製品体験セミナー、ソリューションセミナーを随時催しています。セミナーのページを参照してください。

副次効果として、思わぬ課題解決につながったこともあります。導入を進めようとしたら、マスタ(BOM=部品表)の整備が課題であると分かったケースがありました。生産スケジューラを調査する過程で、自社の業務を違った角度でとらえることができた、という声もいただいています。担当している部門・工程だけでなく、工場全体を俯瞰的にとらえようとする意識が芽生えてくるでしょう。

 アスプローバ社のナレッジセンターでは、活用法についても多くの情報を提供していますので、ご利用ください。


(了)


技術革新や予測不能な外的要因に迅速に対応できるよう製造業務においては、より一層生産プロセス全体の改善と生産効率向上が求められています。 データやデジタル技術を活用し、生産リードタイム短縮や在庫・コスト削減などを実現する製造現場におけるDX推進の一つとして、生産スケジューラの導入がカギとなります。 次のページでは、生産スケジューラ導入によって具体的にどのような業務改善が実現したのか導入企業の事例もご紹介しています。ぜひご参考にしてください。 img_banner_aps