困ったこと35~計画立案の役割や組織の見直しが必要になった

2024.01.31A3:生産スケジューリングの悩み相談

 アスプローバ社では、「生産スケジューラの困り事35」について、解決のためのアドバイスを提供しております。今回は「組織の見直し」という視点で考えてみます。スケジューラ導入の目的は何でしょうか? これまでEXCELなどで作成していた日程計画の置き換えだけならば、組織の見直しは必要ないかもしれません。ですが、生産スケジューラの導入効果を最大化するには、受注から調達、生産、物流まで多くの部門の利害関係を調整しながら、全体を最適化する必要があります。計画立案をする部署の再検討が求められることもあり得ます。そうした場合のポイントを説明します。

全体を見渡す視点

 生産スケジューラは、納期遅れの削減、在庫削減、製造リードタイムの短縮、納期回答の精度向上などを目的とします。影響は工場全体におよぶ可能性が高く、さまざまな課題を判断できるよう、導入当初から、工場長を含めた体制を検討する必要があります。担当者だけで進めても全体への影響がわからず、導入後に効果が上がらないケースもあります。また導入途中で組織の見直しが必要となった場合、担当者だけで全体の改善を図るのは困難でしょう。

 よくある話として、社内に抵抗勢力や反対派がいた、関係者が一致団結しなくて困った、現場と導入を進めている人たちとの間に温度差があった—といった問題が生じる場合もあります。

 変更になる役割や作業を、変更になる方(部署)に理解してもらい、スムーズに実施できるように進めるのが大事です。

 生産スケジューラを使用する担当者には、一定以上のITスキルが求められます。Excelによる計画立案であれば、必要なITスキルはExcelの入力くらいでよかったでしょう。生産スケジューラAsprovaを使用するなら少なくとも基本となる用語や設定、操作方法などが必要となります。そのため、サポートする立場の役割でプロジェクトに参画していたIT担当が、そのまま計画立案業務に携わるケースもあります。これも組織見直しの1つといえるでしょう。

キーマンを集めチームを作る

 そして、施策には例えばどのようなものがあるでしょうか。

 1.ニーズの理解と目標の設定:
 2.プロジェクトチームの結成
 3.ロジスティック担当の決定
 4.コミュニケーションの改善
 5.リーダーシップ
 6.マスターデータの品質
 7.効率化と連携

 各要素の概要はナレッジセンターをご覧ください。

 工場によって、抱える問題は千差万別であり、それぞれ解決法も異なります。一方、人間のつくる組織ですから、共通する点もあります。これら7つの要点を考慮して、計画立案の役割や組織の見直しを行うことにより、生産スケジューラ導入効果の最大化や継続的な運用ができるようになることでしょう。

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(了)


技術革新や予測不能な外的要因に迅速に対応できるよう製造業務においては、より一層生産プロセス全体の改善と生産効率向上が求められています。 データやデジタル技術を活用し、生産リードタイム短縮や在庫・コスト削減などを実現する製造現場におけるDX推進の一つとして、生産スケジューラの導入がカギとなります。 次のページでは、生産スケジューラ導入によって具体的にどのような業務改善が実現したのか導入企業の事例もご紹介しています。ぜひご参考にしてください。 img_banner_aps