困ったこと35~何ができて、何ができないのかわかりにくかった

2024.03.01A3:生産スケジューリングの悩み相談

 生産性向上をめざして新しいツールを入れてみよう-。そんな企業が増えています。生産スケジューラに限らず、新しいツールを採用しようとするときには「何ができて、何ができないのか」という疑問が生じます。これをどう解決していけばいいのか、生産スケジューラAsprovaを念頭に、策を示してみます。

自分の課題がクリアできるか

 何ができる・できない、というところから少し離れて、自分自身の課題がクリアできるかかどうか、という観点で考えるといいでしょう。

 そのためには、まず計画要件を明確にすることです。そして、その要件に対して、Asprovaが対応できるかどうか検討します。

 一般的には「Fit&Gap」表を作ることが多いようです。Fit&Gapとは、導入しようとするシステムと業務プロセスとのFit(適合)とGap(ズレ)を見いだし、分析することです。文章で表現しただけでは社内共通の理解が得られないので、具体的な検証が重要です。そのためにはプロトタイプ(試行)をやってみて計画要件を確認することが、一番の王道でしょう。

 Asprovaでは、計画要件を入力して動作を確認することができます。データ化できない要件は、スケジューラでは扱えません。初めは簡単なデータで、最小限できることを確認するといいと思います。「大は小を兼ねる」と称して一番難しいことから着手するケースもあるのですが、そうするとなかなか前に進みません。簡単なことから進めるやり方を推奨します。

 「できる・できない」を判断するとき、プロトタイプによる確認が大事なのは、個々の要件では「できた」ことが、組み合わせによってできなくなることもあるからです。たとえば、納期厳守の要件と作業負荷を守る要件は、資源の混み具合やシフト時間の関係で、できたりできなかったりします。逆に単独機能ではできなかった要件が、機能を組み合わせたり、式を用いることで実現することができることもあります。

1人で悩まずに相談を

 プロトタイプで必要最低限なことができると確認したら、それ以降は一人で考えたり悩んだりしないことです。展示会やセミナーで、当社エンジニア、販売パートナーとお話しすると、一気に解消するかもしれません。オンサイト、オンラインと、いろいろな方法で話を聴けるようになりました。有効活用してもらえればと思います。

 Asprovaを活用するには、課題をはっきりさせ、プロトタイプの実施を通じて段階的に進め、コミュニケーションを大切にすることで、スムーズに導入が進んでいくでしょう。

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(了)

技術革新や予測不能な外的要因に迅速に対応できるよう製造業務においては、より一層生産プロセス全体の改善と生産効率向上が求められています。 データやデジタル技術を活用し、生産リードタイム短縮や在庫・コスト削減などを実現する製造現場におけるDX推進の一つとして、生産スケジューラの導入がカギとなります。 次のページでは、生産スケジューラ導入によって具体的にどのような業務改善が実現したのか導入企業の事例もご紹介しています。ぜひご参考にしてください。 img_banner_aps