困ったこと35~ システム連携が難しかった

2024.06.19A3:生産スケジューリングの悩み相談

 企業にはさまざまなシステムが導入されており、システム同士の連携によって、データを共有することが、重要な課題になっています。生産スケジューラAsprovaでは、業務システムとの連携が必須です。スケジューラがあってもなくても、すべての製造業において生産計画業務は必ず行われています。そこにAsprovaを導入することになるため、既存の仕組みとの役割分担が発生します。何をしたいのか、何のためにやるのか、根本的な目標を見失わないよう、この課題をクリアしなくてはなりません。

簡単で便利な方法を使ってみよう

 まず一般的に、システム連携のメリットは、データの一元管理により、最新のデータを共有して、現状を正しく把握できることです。またデータの共有を自動で行えば、時間やコストを削減できます。一方デメリットもあります。複雑化です。異なるシステム間でデータを共有する場合、そのためのプログラム開発が必要になる場合があります。それがブラックボックス化したり、セキュリティーリスクが高まったりするかもしれません。システム連携は、なるべくシンプルに、わかりやすい形で進めたいところです。

データの連携で難しいところ

 さてAsprovaについては、基幹業務システムとの連携実績が豊富で、具体的な事例もたくさん蓄積されています。

テキストファイルやデータベースを介した連携は、意外に簡単です。Asprovaのデータ入出力設定によって、つなぐことができます。

 難しいと思われるところもあります。たとえばAsprovaを運用しながら連携を図る場合、計画要件の内容や業務手順に沿って、データをやり取りするタイミングを検討する必要があります。日次処理、在庫/作業実績の取り込み、内示/確定などのデータが該当します。

 またAsprovaとテーブル構造が異なるマスタデータとの連携も、手間がかかります。とくに品種が多い組み立ての製造業では、部品表が複雑で、形式も異なっているのが普通です。その場合、中間テーブル的なものを作成するという解決法があります。中間テーブルをAsprovaのテーブル構造に沿うように準備し、そこからインポートする形がやりやすいと思います。

スケジュール結果を返す場合

 一方、Asprovaのスケジュール結果を基幹システム側へ反映することは、基幹システムの連携方法に制約されるので、難しさがあります。これに対しては、基幹システムの仕組みには反映せず、スケジュール結果を紙に印刷して、作業現場に作業指示書として提示する方法があります。

 もちろん基幹システムへ反映する方法もあります。ただしシステムごとの特性により個別に検討する必要がありますので、販売パートナーにご相談されることをおすすめします。

 基幹システムとの連携は、生産スケジューラの導入効果を高めます。異なるシステムでは、アーキテクチャや思想が異なり、摩擦が生じることもあります。社内のコミュニケーションを円滑にして、お互いの立場を尊重しながら、連携を進めていくのが理想です。

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(了)


技術革新や予測不能な外的要因に迅速に対応できるよう製造業務においては、より一層生産プロセス全体の改善と生産効率向上が求められています。 データやデジタル技術を活用し、生産リードタイム短縮や在庫・コスト削減などを実現する製造現場におけるDX推進の一つとして、生産スケジューラの導入がカギとなります。 次のページでは、生産スケジューラ導入によって具体的にどのような業務改善が実現したのか導入企業の事例もご紹介しています。ぜひご参考にしてください。 img_banner_aps