困ったこと35~ 作業指示をどのように出して、作業実績をどのように取るかを決めるのに迷った

2024.08.14A3:生産スケジューリングの悩み相談

 生産スケジューラから出力される作業指示を、現場にどう提示すればいいでしょうか。また作業実績をどう入力すればいいのでしょうか。多くの人が迷ったり悩んだりする場面です。Asprovaは計画を立案できますが、それを用いて作業指示する方法は、基本的には別の仕組みに託することになっていました。Asprovaでは、これらの課題に対応し、新たなサービスを提供し始めました。作業指示や実績入力に対応することができる「Asprova My Schedule 」という機能です。従前のさまざまな方法に加えて、新たな選択肢ができました。

作業指示-システムと連携するか否か

 作業指示の場合、大別して、システムと連携するかしないかで、方法が変わります。連携する場合、Asprovaが持つ外部データベースとの連携機能(データ入出力機能)が役立ちます。これによって、基幹システムの製造指示テーブルに、作業の日時や設備などを追加、変更していくことができます。

 システムと連携しない場合は、紙にガントチャートを印刷して掲出する伝統的な方法と、タブレットなどの端末で指示する方法があります。端末での指示に関しては、Asprovaの新機能「Asprova My Schedule」が対応しています。タブレットやスマホに指示を送ることができ、大変便利に使えます。

実績入力-簡潔な仕組みを

 実績入力は、スケジューラの都合からみると、次の生産に入ることができるかできないか、判断するために必要となります。作業形態や連携するシステムによって、さまざまな方法があります。

 設備の方から自動的に実績が収集できる仕組みもありますし、市販パッケージによる実績入力も可能です。在庫をカウントして、その増減により、製造実績を導く方法もあります。

 Asprova My Scheduleは、実績入力にも使え、製造現場とのコミュニケーションが円滑になります。

 さて製造指示と実績入力では、いくつかの考えておくべきことがあります。

 スケジュールする工程は、少なければ少ないほど導入や運用が楽になります。作業計画をこと細かに決めてしまうと、かえって効率が悪くなることがあります。その場合には作業指示書に記載する情報を最低限にとどめ、現場に裁量を持たせる方がいいでしょう。現場も、作業がやりやすくなる指示書は歓迎するでしょう。現場がどのような形で作業指示を求めているかを知り、柔軟に対応することが、運用のコツです。

 実績入力でも、項目はできるだけ少なく簡単に、表示する文字は大きくして、負担の少ない仕組みにしておくことです。現場対し、なぜ実績入力が必要かを説明し、協力をとりつけることも大事です。

 関連するナレッジセンター 困った事35 18 作業指示をどのように出して、作業実績をどのように取るかを決めるのに迷った


(了)


技術革新や予測不能な外的要因に迅速に対応できるよう製造業務においては、より一層生産プロセス全体の改善と生産効率向上が求められています。 データやデジタル技術を活用し、生産リードタイム短縮や在庫・コスト削減などを実現する製造現場におけるDX推進の一つとして、生産スケジューラの導入がカギとなります。 次のページでは、生産スケジューラ導入によって具体的にどのような業務改善が実現したのか導入企業の事例もご紹介しています。ぜひご参考にしてください。 img_banner_aps