困ったこと35~ システムテストは、どこでテストの完了かわからなかった

2024.12.11A3:生産スケジューリングの悩み相談

 生産スケジューラAsprova導入の最終段階に、システムテスト(ST:System Testing)があります。「総合テスト」とも呼ばれます。結合テストの後で行われ、すべての機能が揃った状態で本番環境でテストします。このシステムテストについて、どこをもって完了とすればいいのか、という質問をいただくことがあります。

 Asprovaのシステムテストは、”Step1 要件整理とモデル化”で作成した業務要件に沿っているかを確認するテストです。業務要件(新業務フローに準じる)と非機能要件(性能、運用、保守、セキュリティなど)に対して、すべてのテストシナリオとそのテスト終了判定基準を作成して、導入プロジェクトの関係者や実際に利用する計画担当者や製造現場担当者に、内容の了承を得ることが必要です。
いくつかの場合に分けて説明します。

日次スケジュールの場合には

 生産スケジューラを日次詳細スケジュールに利用する場合、以下の一連の処理を実際のデータを使って確認します。

  1. 新規オーダの取り込み
  2. 製造実績の取り込み
  3. 生産スケジューリングの実行
  4. スケジューリング結果の評価・修正
  5. スケジューリング結果のリリース

これらのテストの終了判定も基準も、設定した上で進めましょう。

都度処理、週次処理などの場合

 日次計画ではなく、都度処理の場合はどうでしょう。たとえば、品目テーブル・製造BOMの追加・変更処理、あるいはカレンダーの追加・変更などです。これらのテストの終了判定基準は、新規に登録した品目や製造BOMやカレンダーでリスケジュールする計画パラメタを実行したときに、メッセージテーブルに警告やエラーが発生しないこと、および作業が正常に割りついていることです。

 週次・月次処理における、不要なオーダの削除や、在庫情報の更新などでも、終了判定基準は同様です。リスケジュールする計画パラメタを実行したときに、メッセージテーブルに警告やエラーが発生しないこと、および作業が正常に割りついていることです。

非機能要件はどうする

 業務要件ではない事項、すなわち非機能要件については以下のような内容を確認します。

  1. スケジューリング時間の確認
  1. ユーザの登録や削除
  1. 不要データの削除方法

 その他、バックアップ手順や計画結果の不具合発生時の対応手順などについてもテストすることを奨めます。

 生産計画業務全体に対応したテストおよびイレギュラー処置についても、テストシナリオと、テストの終了判定基準を事前に作成して、関係者の承認をもらってからテストを実施することを推奨します。

 ナレッジセンターには、システムテストの完了点についての注意事項について記載などがありますので、参考にしてください。

 関連するナレッジセンター 困った事35 19 システムテストは、どこでテストの完了かわからなかった


(了)


技術革新や予測不能な外的要因に迅速に対応できるよう製造業務においては、より一層生産プロセス全体の改善と生産効率向上が求められています。 データやデジタル技術を活用し、生産リードタイム短縮や在庫・コスト削減などを実現する製造現場におけるDX推進の一つとして、生産スケジューラの導入がカギとなります。 次のページでは、生産スケジューラ導入によって具体的にどのような業務改善が実現したのか導入企業の事例もご紹介しています。ぜひご参考にしてください。 img_banner_aps