困ったこと35~ 人材不足で困った

2024.12.18A3:生産スケジューリングの悩み相談

 人手不足は製造業に共通する問題です。ITに詳しい人材は、引く手あまたであり、どこの企業も確保に難渋しています。社内で育てる?外国人を採用する? 一朝一夕に解決できるようなことではありません。Asprovaのような生産スケジューラの導入や運用には、システム・エンジニアだけでなく、導入プロジェクトの管理者、データ整備担当者、保守担当者などが必要になります。この問題にどう取り組めばよいでしょうか。実践的に考察してみましょう。

上層部の理解を求める

 まず社内で人材を確保することが大事です。それには、人材の配置を司る経営層=決裁者に、生産計画の重要性を認識してもらわなくてはなりません。経営者はたいてい「本業ではないプロジェクトに、いま以上の人的資源の投入は難しい」と考えているでしょう。

 会社の上層部に対し、目的達成には相応の人材が必要であることが分かるよう、導入体制と導入スケジュールを準備して打診します。

 それでも増員が無理というのであれば、 関連する部門や、社外のサポート要員による補強を企画します。

 そのためには、導入を全社プロジェクトに位置付けし、プロジェクトオーナーには、会社役員に就任してもらいます。関連する部門のメンバーには、通常の仕事に加えて、このプロジェクトの仕事を分担してもらうことになります。ですから当人およびその部門長に対して、会社からの特命であることを伝え、部門を挙げて協力してもらうような雰囲気作りをしたいところです。

 また社外のサポートを受ける場合には、必要となる人材とスキル、およびその予算の概要を、システム導入前に確保することが大事です。

8種類の人材が必要

 弊社ナレッジセンターでは、具体的に、スケジューラ導入に必要な人材と、求められるスキルを、まとめて紹介しています。(ここにリンク先を入れてください) ここでは人材を8つにカテゴライズしています。システム企画担当者、プロジェクト管理者、計画担当者、関連部門代表者、スケジューラ導入担当者、システム担当者、データ整備担当者、サポート・ヘルプデスク担当者です。当然、求められるスキルは、それぞれ異なります。

 システムの規模や範囲により、一人の担当者が複数の役割を兼務したり、現行業務と兼務したりすることがあります。自社要員で対応できないときは、販売パートナーなど社外要員の活用も考えられます。

 「アジャイル導入」は、人員不足対策にもなります。すべての計画要件を一度に対応するのではなく、まず初めに簡単で導入効果のある要件に絞り込んで導入を始めることです。これにより、準備するマスタデータや計画パラメータの設定を最小化することができます。実際にシステムを動かしながらAsprovaの機能や特性を理解して、次のステップに進めばいいのです。

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(了)


技術革新や予測不能な外的要因に迅速に対応できるよう製造業務においては、より一層生産プロセス全体の改善と生産効率向上が求められています。 データやデジタル技術を活用し、生産リードタイム短縮や在庫・コスト削減などを実現する製造現場におけるDX推進の一つとして、生産スケジューラの導入がカギとなります。 次のページでは、生産スケジューラ導入によって具体的にどのような業務改善が実現したのか導入企業の事例もご紹介しています。ぜひご参考にしてください。 img_banner_aps