アジャイル開発と顧客フィードバックで進化するAsprova~佐々木維史
2022.11.06X1:アスプローバ社員インタビューアスプローバ社の経験豊富な開発エンジニア・佐々木維史(ささき・まさし)さんに、お仕事のことを聞きました。東工大卒後、2005年に東大大学院を修了。学生時代は一貫して数学を学び、他社を経て入社9年目です。新たなUIを導入した生産スケジューラAsprovaのバージョンアップは秒読み段階とあって、淡々としながらも、時に緊張感が漂います。
ユーザー・インターフェイスを中心に
ー アスプローバ社では、どんな担当ですか
ユーザーがマウスなどで操作する画面、つまりUI(ユーザー・インターフェイス)系の開発をしていることが多いです。それに加えて、ソースコード管理ツールである「git」(ギット)の導入や、自動ビルド、自動テスト環境の構築など、開発環境まわりの整備も行っています。
ー gitとは何でしょう
私たちが書いたソースコード(プログラム)を管理するシステムの1つです。私が入社したころは、別のシステムを利用していたのですが、それが使いづらいので、当時分散型バージョン管理システムとして知られ始めていた「git」を導入しました。利点は複数人で開発するときに便利なところです。ツールの移行は結構大変でしたが、今では当たり前のように使われるようになりました。
さらに自動ビルドでプログラムの変更ごとに実行ファイルが自動的に生成され、生成された実行ファイルに対して自動でテストする仕組みを構築しています。これにより早期にバグを発見することができます。手動で行っていたのを自動化しました。
ー Asprovaの新バージョン開発は順調ですか
Ver.17を、2022年内に公開する予定です。使いやすいものを、できるだけ早く市場投入したいと考えています。
もともとアスプローバでは、ウォーターフォール型のプロセスで開発することが多く、要望から仕様が決められ、それに基づいて開発を行い、テストをしてリリースという流れでした。これだと開発期間が1年以上になるような大きな仕事の場合、汎用的な仕様を最初の段階で考えるのが難しく、また開発を進めてもフィードバックを得るタイミングが遅くなるため、リリース時期がさらに遅くなるという問題がありました。
このため最近はアジャイル的な開発手法を一部取り入れて、小さい単位で開発を行い、できるだけ早くフィードバックを得られるようにしています。
Ver.17では、新UIのβ版(試用版)に対して顧客やビジネス・パートナーから意見をもらい、それをもとに実際にいくつか機能改善や追加が行われています。今年から実施している「Asprova Meet」がフィードバックの場となっています。
歓迎 リモートワーク
ー 学生時代に学んだ数学はどんな内容で、今役に立っていますか
専門にしていたのは、数学の中でも基礎的な「数論幾何」です。正直、直接役に立ってはいません。ただ、プログラムの背景にある理論的なものがわかる、というのがいいところかな、と思います。
ー めったに出社しない、とうかがいました
私も、新型コロナ以前は毎日通勤していました。でもコロナ以後、リモートワークが定着し、大変ありがたいと感じています。何よりも満員電車で通勤せずにすみます。ストレスは小さく、時間も有効に使えます。リモートで不便なことはありません。出社するのは、パソコンやサーバーのメンテナンスが必要になったときくらいでしょうか。
コラム編集部
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