海外生産拠点でのスケジューリングに悩むあなたへ、アスプローバ社が解決策を提供か~浜谷浩

2022.11.06X1:アスプローバ社員インタビュー

 アスプローバ社で東南アジアとインドの営業を担当する浜谷浩(はまたに・ひろし)さんに、現地の事情を中心に聞きました。最も関心を持っているのは、日本と大きく異なる文化のもと、そこで働く人々に受ける製品紹介を考えることだといいます。

ー 入社のきっかけを教えてください

 もともとソフトウェア関連の営業職をしていました。工業団地を回ると、「Asprovaというスケジューラはほんとによくできている、海外でも売れている」という話をしばしば耳にしました。日本製のソフトで海外に通用するものがあるのか?と興味を持ったのがきっかけです。2003年に入社し、国内営業を担当しました。語学を得意にしていたので、その後、海外営業に回りました。

ー 日本と東南アジアとの違いはどんな点でしょう

 「それだよ、それ」「おっしゃる通り。ウチもそのために生産スケジューラを使いたい」という以心伝心の反応が得られないことです。DXとか、スマートファクトリーといったキーワードについては、共通理解があるようで、話がつながりますが、仕事に対する心構えというか、心情の点で、相互にわかり合うことが難しい。

日本の厳密さは普通ではない

ー 東南アジアとインドではまた違いますか

 インドは誇張がプラスされます。「4日で日本語をマスターするから仕事を紹介してほしい」「私は何でもできる。世界中にAsprovaを売ってやる」。こういう人は東南アジアにはいないですね。ただ、こんな風に、「ノーペア」でも勝負に出るから、アメリカの先進企業の経営者になったりするのだと思います。

 まずこの人たちを理解することが課題となります。時間や約束を守るのが普通のことである日本は、海外の多くの国からすると異常値なわけであり、多くの国でそれを期待してはいけないと、自分に言い聞かせています。ドイツでも列車の運行は30分遅れであたりまえですから。

計算が苦手、だからスケジューラを

ー どのような方法でギャップを埋めていったのですか

 経験ある代理店からいただいたアドバイスが、一番参考になりました。Asprovaは、日本の市場で育てられました。完全を求める日本の製造現場は、東南アジアの現地資本の実情とはかけ離れていますが、それをなかなか自覚できませんでした。私もトヨタのJIT(ジャストインタイム)やその元になったと言われるイトーヨーカ堂の単品管理を初めて知った時は「狂気」だと思いました。PCもない時代に始めたのですから。Asprovaは、オーダーより細かい作業や段取りも含めた単品作業計画を提唱しています。海外では時に「この日本人はおかしい?」と思われているのでは、と考えるようになりました。

 しかし東南アジア諸国でも、安い人手に頼る縫製や組立工場から成長して1分あたり100個のスピードで、多品種を製造するとなると、分秒単位で計画が必要になって来ます。一方、時間は60進法、12進法、24進法、7進法、365進法が混在し日から月へは28日、30日や31日、更に祝日と非常に計算が面倒です。

 そして、これも代理店を通して気づきましたが、海外では日本人より圧倒的に計算が苦手な人が多いのです。計算に強いと言われるインド人も調査ではアジアの中で高くはありませんでした。

 ですから、スケジューラを紹介するのに、どうすると効果的か?というと、シンプルに「数百の作業の計画は面倒でほぼ必ず間違えます。ちょっとやって見ますか? エクセルの関数を使っても大変でしょう。絶対にAsprovaを使った方がいいです」と言ってみるのです。体験版でもとにかく使い始めてもらいたいのです。

 古代では季節を知るのは農業に大切で、神官が天体の動きを観測し、凄まじい計算をして暦を作っていたようです。現代の工場では主要加工機の利用計画が効率化の要になっています。日本にはエクセルの計画立案にすべてのキャリアを投じている神官みたいな人が実在しますが、世界の多くの人には一生を捧げるようなことはせずに、Asprovaをどんどん使ってほしいと思っています。

技術革新や予測不能な外的要因に迅速に対応できるよう製造業務においては、より一層生産プロセス全体の改善と生産効率向上が求められています。 データやデジタル技術を活用し、生産リードタイム短縮や在庫・コスト削減などを実現する製造現場におけるDX推進の一つとして、生産スケジューラの導入がカギとなります。 次のページでは、生産スケジューラ導入によって具体的にどのような業務改善が実現したのか導入企業の事例もご紹介しています。ぜひご参考にしてください。 img_banner_aps