要望に即対応 進化続けるAsprova ~ビジネスパートナー会 2024~
2024.07.12X3:コンサルタントダイアリーアスプローバ社のビジネスパートナー会が6月12日、東京駅前のJPタワーで開かれました。全国から40社のパートナーが参加し、生産スケジューラAsprovaの新機能を知り、日ごろの成果や問題点を話し合いました。
今回の新機軸は「島形式」の配置で、12の島に各社の人たちがバラバラに分かれて着席しました。島の中で意見交換が活発になされ、他社の考え方や取り組みを知る好機にもなったようです。例年同様、最後に表彰式が行われました。場内3つのブースで、My Schedule、Solver、その他の新機能-が紹介されました。
驚きの代表「交代劇」
会の冒頭、代表の「交代劇」が、サプライズで演じられました。創業者の高橋邦芳さんから田中智宏社長へ、「代表」のタスキとともに、金色の包みが手渡され、田中さんは「謹んでお引き受けします」と述べました。重責を象徴する重そうな包みを抱えた田中さんの姿が印象的でした。高橋さんは、代表権が外れましたが、取締役会長として経営への参画は続けます。
田中社長はあいさつで「パートナーのみなさまに恵まれ、社員もユーザーさんも製品もすばらしい。これからもよろしくお願いします」と話しました。「今日は、たくさんの話が出るので、面白さを感じていただければ。そしてスケジューラで困っているユーザーに届けてください」と呼びかけました。そして「常識を破りたい」と続けました。「スケジューラのパラメータは複雑。それをSolverで簡単にします。ウェブ対応はしないという方式を改め、My Scheduleの導入で、ウェブ経由によるシステムを実現しました」。最後に「アスプローバをよく知っている人ができないと思っていることができるようになっているかもしれない。問題点があったら、できないと思わず、相談してほしい。そこに開発の可能性があるのです」と結びました。
ペインポイントに注力
アスプローバ社からの発表は大きく分けて3つ。1、新機能 2、Solver 3、My Schedule です。それぞれについて担当した社員が説明しました。内容をかいつまんで紹介します。
まず新機能については、顧客の「ペインポイント」(痛みを感じるところ)解消に力を入れていきます。ペインポイントを語る会を毎月開催し、パートナー、ユーザーから意見を募ります。そして迅速に「ペインキラー」を開発します。すでに「重なりMAX」の処理中中断をする機能や、オーダテーブルなど入力時のコード重複にエラーメッセージをつける機能などが追加されました。今後も随時、要望をくみとって対応していきます。
Techボットと命名された応答システムが実装されました。これはChat GPTに、Asprovaのオンラインヘルプとナレッジセンターを学習させ、わかりやすい文章で疑問に答える仕組みです。Techボットへの入口は、ホームページのナレッジセンターと、Asprovaの製品本体に設けられています。
アップデートを支援するツールが開発されました。アップデートをすると、新機能が使えるようになる半面、これまでの機能に変化が起き、スケジューリングの結果が変わってしまうのでは、というおそれがありました。そのためアップデートをしないユーザーも存在します。こうした心配を解消するため、割り付け結果をアップデートの前後で比較するためのツールを作りました。
新たなSolverと、期待のMy Schedule
Solver については、PoCを不要とする「汎用化」が進められています。とくに納期遅れの防止と段取り最小化を実現するS3の反響は大きく、これに金型など副資源を考慮したS8など、派生形も生まれています。
また新たなSolverとして「S10」を開発しています。これは化粧品、シャンプーなどの製造を念頭に置いたバッチプロセスのタンク繰り計画です。納期を守りながら生産量を最大化するよう、配合・充塡の順番を決めます。タンク液面の上限・下限を保ち、タンク内で貯蔵品目を混在させないなど、多くの条件に対応しています。
My Scheduleは、6月に正式リリースされたばかりの機能です。これまでAsprovaは、PCにインストールしてそこで計画を作り、計画の閲覧もPCでしかできませんでした。これをウェブ経由で、タブレットやスマホで見られるようにしたのがMy Scheduleです。現場で実績を入力することもできます。フリープランは標準機能で利用できます。ただし同時接続できるのは1台だけ、表示できる計画期間は2週間まで。有料オプションの契約をすれば、何台でも同時接続でき、表示できる計画期間も無制限となります。My Scheduleの体験セミナーは7月から随時開催され、近く英語版などが公開されます。
会の最後には、会長の高橋さんがあいさつ。「ARR(Annual Recurring Revenue=年間定期収益)が当社の重要な経営指標。ARRの向上はパートナーの収益にも寄与します。そのためにもSolverやMy Scheduleの開発投資を積極的に行っていきます」と、今後の姿勢を示しました。
(了)
コラム編集部
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