Asprova ソリューションセミナー―金型を使う生産スケジューリングを最適化するSolverの凄み

2023.06.14S08:金型や治具を使う工程で納期遅れと段取りを最少化したい

『Asprova ソリューションセミナー』では、難度の高い生産スケジューリングに対応するSolverシリーズを紹介しています。先日は、Webセミナー「金型や治具を使う工程で納期遅れと段取りを最少化したい [S8]」が開催されました。

金型が必要な工程で段取り回数と納期遅れをどうやって最少化するのでしょうか。その部分が知りたくてセミナーに参加しましたので、レポートを記してみます。

生産スケジューリングに困った未来製作所

セミナーの序盤、「未来製作所」を舞台としたアニメ動画が流れます。未来製作所は自動車用パーツを製造する会社で、プラスチックを成形する射出成形機を使用しています。

自動車部品に加えて、新型EVバス用のパーツを受注したところから問題が発生しました。「どうしてそんな発注を受けたの」と社長の松下さんに詰め寄る生産管理担当の今岡さん。発注量も多く、納期遅れを懸念してのことでした。

今岡さんはエクセルで生産スケジューリングをしてみますが、上手くいきません。作業者や金型まで考慮する生産スケジューリングは難度が高すぎたからです。一旦は上手くいったように思えても、実際に段取りを行うのは作業者という問題も抱えていました。

段取り替えが増えてしまった現場はとうとう、「これでは現場に負荷がかかりっぱなしだ」と不満の声をあげます。

金型や作業者を含むスケジューリングの難しさ

なぜ金型を使う工程の生産スケジューリングは難しいのでしょうか。セミナーではそこを掘り下げて考えていきます。

前提として品目ごとに金型があり、金型を交換するには作業者が必要です。しかも金型の段取り替えは相当な時間がかかります。それらを踏まえると、生産スケジューリングでは以下の4つの問題が発生します。

1.金型の交換タイミングを見極めないと納期遅れになる
2.金型の割付けを誤ると待ち時間が発生する
3.金型の交換が増えると作業者の負担になり、残業も増える
4.金型の交換タイミングが重なると、成形機の運転効率が下がる

未来製作所の今岡さんが苦労していたのは4つを考慮しながら、最適なスケジューリングを捻り出す必要があったからです。

では、これらの困ったことをどう解決すればよいでしょうか。ここで話しを未来製作所に戻します。

凄腕のプログラマーが生み出すSolver

未来製作所の状況を見たAsprovaのプログラマー・白井さんは言います。「この場合、作業者と金型も考慮しながら納期遅れと段取りを最少化すれば解決できるはずです」。

納期の早い順から割り付けていくと、同じ品目・金型をいい塩梅にまとめて納期遅れと段取り回数を少なくすることは難しいものでした。しかし、Solverは高速なスケジューリングロジックを活用することで反復改善を行います。いろいろな組み合わせの計画を何度も何度も試して、最も良い計画を探していくのです。

白井さんたちが新たに開発したSolverのデモを見て、「よく見ると納期遅れもない」と今岡さんは驚きます。セミナーでは未来製作所を救ったそのデモンストレーションを見ることができます。

デモンストレーションでは納期を優先して計画した従来のケースと、Solverを使ったケースとを比較して示してくれます。

納期優先スケジュールは納期遅れが204件、段取り回数61回に対して、Solverは10万回の反復改善を行い納期遅れ0件、段取り16回という計画を出力しました。

金型を使用した工程の生産スケジューリングの難しさは、計画の担当者が一番分かっていることだと思います。納期遅れ、段取り回数、作業者の負担など、頭を悩ませる要素はたくさん。これらの難題を解決したい方はソリューションセミナーでSolverの世界を覗いてみてはいかがでしょうか。


(了)


技術革新や予測不能な外的要因に迅速に対応できるよう製造業務においては、より一層生産プロセス全体の改善と生産効率向上が求められています。 データやデジタル技術を活用し、生産リードタイム短縮や在庫・コスト削減などを実現する製造現場におけるDX推進の一つとして、生産スケジューラの導入がカギとなります。 次のページでは、生産スケジューラ導入によって具体的にどのような業務改善が実現したのか導入企業の事例もご紹介しています。ぜひご参考にしてください。 img_banner_aps