難問を解決する喜び~アスプローバと歩んだ四半世紀~イグレック・飯川洋一さんに聞く

2023.03.30X2:販売パートナーインタビュー

 生産スケジューラAsprovaと出会って四半世紀というベテランコンサルタント飯川洋一(いいかわ・よういち)さんに、今昔の話を伺いました。現在もイグレック株式会社に所属して、Asprovaの導入支援に携わっています。困ったときはこうすればいい、というアドバイスも頂きました。

初導入で酔いつぶれ

ー Asprovaの仕事を始めるきっかけは

 1995年頃、大阪の会社で販売推進部門にいた時、CAD・CAM部門が新しいソリューションを模索している中で、「AutoScheduler」という生産計画ソフトウェアが面白そうなので、調べてほしいとのリクエストがありました。

 今のアスプローバ社は、当時「スケジューラー研究所」という名で、私たちは「スケ研」と呼んでいました。私は製造業の仕事をやったことがなかったため、生産管理の本で勉強しながら、体験版を入手し、動かしてみたところ、操作が簡単で、瞬時に計画がガントチャート上に表示されるのに驚きました。

 「これはいける」と感じて、営業担当者とともにCAD・CAM部門のお客さまを毎日2社程度訪れ、生産管理部門の担当者に、ヒアリングや簡単なデモを行いました。ほとんどのお客さまは、計画は手書きかエクセルで作成しており、AutoSchedulerに興味を持ってくれました。ただ費用が500万円以上かかり、また生産計画の制約条件が複雑であるため、すぐに導入とはいきません。長期戦で商談を進め、半年後くらいに初受注できました。

 初導入プロジェクトのキックオフ時には、高橋邦芳さん(現アスプローバ会長)に東京からお越しいただき、神戸の居酒屋でお客さまも交えた宴会を開きました。大変盛り上がって、私は飲みつぶれてしまい、途中から記憶を失ってしまいました。高橋さんは当日の帰京予定をキャンセルし、お客さまの自宅に宿泊されたと後で聞きました。

半導体ならお任せを

ー その後は順調に導入が進んだのでしょうか

 私はいくつかの会社を渡り歩きましたが、常にAsprovaを扱ってきました。その間、北は青森、秋田から南は九州まで、80社以上のAsprova導入にかかわっています。業種もさまざまで、精密機器製造業、自動車部品製造業、食品製造業など、医薬以外はほぼ全部ではないでしょうか。最近では半導体のお客さまが多く、前工程から、テスト工程、後工程までのいずれの工程でも導入支援を行いました。半導体業界はお任せください。

 Asprovaに関しては、私の個性と導入経験を前面に出して、お客さまの課題解決に正面から向き合っています。ここ3年くらいは、Asprovaパートナーの支援も行っています。現在所属するイグレックはコンサル会社で、生産管理全体について課題解決の支援ができるのが強みです。協力会社が生産管理パッケージを取り扱っており、システム導入の支援を行うことも可能です。

困ったときには…

ー 印象に残っている体験談をお願いします

 最近の話で、お客さまから、「ガントチャートの作業バーにシフト(3直)ごとの数量を表示してほしい」との要望がありました。ただそれには計画パラメタの再実行(約20秒)が必要なため、標準機能では実現は厳しいとお答えし、代替案をお客さまに示しました。一応納得してもらいましたが、ずっと気になっていました。

 その数日後の早朝、ふと別のデータがこれに活用できるのではないかと思いつき、設定したところうまくいきました。ガントチャートを動かしても処理スピードに影響ないように改良したバージョンをお客さまに提示したところ、大変喜んでおられました。そんな設定ができた時は満足感がありますね。難しい要件を、費用をかけずに解決するのは、私たちにとっても喜びです。

 これまでの体験から、【私の格言】を3つほど挙げてみます。
   (1)式の設定に悪戦苦闘した時は、早く寝ると良案が浮かぶ
   (2)設定方法に悩んだ時は、アスプローバ社のサポート窓口にメールを出せ
   (3)アスプローバ社のナレッジセンターを活用せよ

 部下や後輩がたくさんいるところで働いていた時は、細かい設定は任せていたのですが、今は私が全部やっています。困ったときは頭を切り換えるために、早めに寝てしまいます。朝の4時、5時に目が覚めて、ふと思いつく、という経験を何回もしています。またナレッジセンターを検索するだけで、課題の解決策がずばり見つかったということもありました。

ー コロナの間は客先訪問ができず、大変だったのでは

 リモートでもできることがわかりました。販売支援だけでなく、導入支援もリモートでやれましたから。ただお客さまのところで、ひざをつきあわせて具体的な話を聞いて、お互い納得することも大事です。現場に行かなくてはわからないことも多く、そうした表面的には見えにくい現場のノウハウを、私は経験で知っています。

 アスプローバ社とは、製品の質に感心したのとともに、高橋さんの人柄にひかれ、以来、長い付き合いになりました。社員のみなさんが製品に愛着と誇りを持っていることを感じています。私もまだまだ頑張ります。


(了)


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技術革新や予測不能な外的要因に迅速に対応できるよう製造業務においては、より一層生産プロセス全体の改善と生産効率向上が求められています。 データやデジタル技術を活用し、生産リードタイム短縮や在庫・コスト削減などを実現する製造現場におけるDX推進の一つとして、生産スケジューラの導入がカギとなります。 次のページでは、生産スケジューラ導入によって具体的にどのような業務改善が実現したのか導入企業の事例もご紹介しています。ぜひご参考にしてください。 img_banner_aps