「全体最適」を図るには~パナソニックFS・柴崎さんに聞く

2023.06.14X2:販売パートナーインタビュー

 パナソニックFSエンジニアリング株式会社の柴崎貴志(しばさき・たかし)さんに、生産スケジューラAsprovaの導入法を聞きました。パナソニックグループに蓄積された知恵を生かし、工場全体がどうあるべきか、俯瞰的な視点を持ちながら計画を作り上げることに努めているといいます。

大元を変えた方がいいのでは?

ー 貴社について教えてください

 パナソニックの中で、BtoBのソリューション事業を担う「パナソニックコネクト」の傘下にあります。その中でも製造業のお客さまを担当しており、電子部品実装機や溶接機などの設備販売と保守サービス事業を軸に、現場改善活動(IE)やシステムソリューションの提供もしております。本社は東京にありますが、私は大阪勤務です。6年前に入社し、Asprovaの導入に携わるようになりました

ー Asprova導入では、どのような経験がありますか

 お客さまのもとで、現場の課題や要件のヒアリングをしている際に、計画以前に「大元」を変えた方がいいのではないか、ということに気付くことが多くあります。現場ではAsprovaに組み込みたいという要件はいくらでも出てきますが、工程間のつながりや流れを調べていくと、個別最適、つまり特定の部分だけに都合のいい状態になっていたり、その工程独自のルールが要件として上がってきたりすることがあります。

 そのような場合、全ての要件を網羅しても、効果が出ず、お客さまの満足度も低い、ということになってしまいます。

 パナソニックは多くの工場を持ち、モノづくり現場を持っています。つまりお客さまと同じ目線で悩みを理解できます。ラインの生産計画から範囲を広げ、工場全体はどうあるべきか俯瞰的にみる。そのようなフェーズをはさむ方法を提案してきました。

幹部を含めた合意形成が必要

ー お客さまの理解は得られましたか

 反応はさまざまです。過去には、理解してもらえるまでお時間を頂戴した事例もありました。Asprova導入を希望している部署だけでなく、他の部署ともかかわる可能性があります。お客さまの責任者、幹部の方々を含め、進め方の合意形成が必要です。そのように全体を俯瞰的に見ること、個別最適ではなく全体最適の重要性をお話しすると、多くのお客さまはご理解いただけます。

 大事なことは、目的をはっきりさせることです。目的が不明確だと、要件に対して優先順位がわからなくなってしまい、導入が長期化してしまいます。目的を定め、Asprovaの役割を明確化することによって、システムに組みこむ要件と運用によって対応する要件の切り分けができるようになります。こうした方針のもとで、満足度の高い計画を提供できるよう、今後も努めていきたいと思います。

ー その他、導入にあたって心がけていることはありますか

 長く運用していただきたいので、細かい設定を入れ過ぎないように注意しています。製造業では「場合による」という要件が数多くあるからです。

 たとえば、プリント基板の熱処理の工程では、複数のオーダを同時に投入した方が効率がよくなります。だからといって、いつ来るか分からない別オーダを待っていると、効率が悪くなるかもしれません。このとき、細かい設定をして自動化するのではなく、同じ温度の作業を同じ色で表示させ(Asprovaにこういう機能があります)、人が判断しやすくなるようにしました。複雑なシステムを作るのをやめて、「判断材料」を提示するという方法にしたわけです。

ー 休日の過ごし方や趣味は

 スポーツ観戦ですかね。特に野球とサッカーが好きです。昨年はサッカーW杯、今年はWBCもありとても興奮しました。世界大会は日本一丸となっている感じで好きですね。家が甲子園球場に近いこともあり、普段は阪神タイガースを応援しています。今年は調子がいいので期待しています。


(了)


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技術革新や予測不能な外的要因に迅速に対応できるよう製造業務においては、より一層生産プロセス全体の改善と生産効率向上が求められています。 データやデジタル技術を活用し、生産リードタイム短縮や在庫・コスト削減などを実現する製造現場におけるDX推進の一つとして、生産スケジューラの導入がカギとなります。 次のページでは、生産スケジューラ導入によって具体的にどのような業務改善が実現したのか導入企業の事例もご紹介しています。ぜひご参考にしてください。 img_banner_aps