聞くことの大切さ~HiICS・喜多村哲さんに聞く

2024.03.27X2:販売パートナーインタビュー

 アスプローバ社の重要なパートナーである日立産業制御ソリューションズ(HiICS)の若手エンジニア、喜多村哲(きたむら・てつ)さんに、生産スケジューラAsprovaの導入について、話を聞きました。顧客とコミュニケーションを深め、信頼関係を築くためにはどうするか、経験から導き出した心構えを語ってくれました。

周りは先輩ばかり、のプレッシャー

ー 貴社の特徴を教えてください

 生産スケジューラAsprovaに加え、MESやERPなどに分類されるさまざまなソリューションについて対応しています。お客さまのご希望に添えるよう、自社あるいはグループ内でのシステム間連携についても対応いたします。  

 Asprovaに関しては、半導体など電気電子系から医薬や食料品まで、幅広い分野のお客さまへの導入をお手伝いしてきました。今後も、あらゆる課題に対して、最大限の支援ができるよう、課題分析やヒアリングのスキルを高めていきます。新機能や新仕様に関する情報収集も、各人が意欲的に実施しています。

ー これまでのお仕事で印象に残っているのは?

 私は新卒入社7年目です。最初に携わったのが、九州に立地する半導体工場の案件でした。そこでは以前よりAsprovaが稼働しており、担当部署のみなさまは、私より知識も経験も上の方々ばかり。社会人経験も乏しかった当時の私にとってはプレッシャーがかかる毎日でした。

 そのような環境の中で私が学んだ最も重要なことは「聞くことの大切さ」でした。「わからないのは当たり前」と開き直るくらいの気持ちで、質問することです。それによってさらに深いところまで知ることができ、またこちらの意欲を先方に感じてもらうこともできます。

 お客さまの課題や要件に関するヒアリングだけではなく、普段の会話の中に含まれる些細な疑問にも気をつけました。ウェブによる打ち合わせでは、なかなか雑談の時間はとれないのですが、本題に入る前に、近況について聞いたり、製品について話したりすることで、お客さまの抱える課題がみえることがあります。

 また上司や先輩には、コミュニケーションのうまい人が多く、見習ってきました。説明には無駄を減らし、一方ではしゃべり続け過ぎないよう「余白の時間」を作ることを心がけています。

ゴールを見失わないために

ー 難しい要件への対応などの経験を教えてください

 Asprovaのお客さまのなかで、1度のスケジューリングに10時間を超える件があり、処理時間を短縮できないか、というご相談をいただきました。長年Asprovaをお使いいただいている中で、さまざまな機能を使い、計画期間や計画作業量も長大でした。

 これに対しては、アスプローバ社の力添えもあり、Asprova本体の機能向上と、計画パラメタなどロジックの最適化という形で対応しました。ロジックの中には、古い関数を使っているために余計に時間を取られてしまっているという箇所もありました。そういった点を洗い出して修正し、処理時間短縮が可能となりました。

 使用中に追加されていた機能の中には「処理の負荷は高いが、現在はあまり重要ではない」ものもあり、意見交換やヒアリングの結果、思い切って「使わない」という選択もしました。

ー お客さまとのやり取りで工夫していることはありますか

 「問題の本質を見失わないこと」を最も重要視しています。これについては、プロジェクト全体を見る上でのマクロ的視点と、要件や機能単位で物事をとらえるミクロ的視点の両面があります。

 Asprovaを導入するお客さまからは、製造や計画、経営など、数多くの部署や担当者の方から、さまざまな要件をいただきます。そうなると「そもそも、Asprovaを何のために導入するのか」という基本的なところがぼやけてしまいます。計画業務に要する時間を短縮したいのか、複雑な業務を自動化したいのかなど、導入の経緯や最も重要な目的を私たちが見落とさないことこそ、プロジェクト成功の鍵であると考えています。

 一つ一つの要件や機能など、より小さな視点で見る場合では、お客さまの業務を簡潔にするためにAsprovaに複雑な機能を実装してしまった結果、かえって使いにくくなってしまう、ということが起こりえます。「難しいことができた」という達成感から、問題の本質を見落としてしまうのです。

 常に「この行動の目的は」「最終的なゴール地点は」などを念頭に置きながら、日々の業務に励んでおります。

ー これからやってみたいことはありますか

 これまで述べてきたような「気の持ちよう」については何とかなるのですが、経験と知識は一朝一夕では身に着きません。10年やっている人と比べて引き出しが足りないと自覚しており、Asprovaについても、それ以外の連携する分野についても、さらに知識を身に付けていきたいですね。

ー 休日などの過ごし方は

 最近はアウトドアです。ホンダの150CCを購入しました、横浜に住んでいるので、横須賀や、箱根、御殿場くらいまで、近場のツーリングを楽しんでいます。


(了)


本記事の販売パートナーに相談してみる(株式会社日立産業制御ソリューションズ)

技術革新や予測不能な外的要因に迅速に対応できるよう製造業務においては、より一層生産プロセス全体の改善と生産効率向上が求められています。 データやデジタル技術を活用し、生産リードタイム短縮や在庫・コスト削減などを実現する製造現場におけるDX推進の一つとして、生産スケジューラの導入がカギとなります。 次のページでは、生産スケジューラ導入によって具体的にどのような業務改善が実現したのか導入企業の事例もご紹介しています。ぜひご参考にしてください。 img_banner_aps