逃げない文化~HiICS・古澤達也さんに聞く

2024.05.07X2:販売パートナーインタビュー

 アスプローバ社のビジネス・パートナー、日立産業制御ソリューションズ(HiICS)のベテラン技術者、古澤達也(ふるさわ・たつや)さんに、生産スケジューラAsprovaの導入について話を聞きました。導入したシステムが定着するまで、とことん付き合う、それが日立の文化だといいます。

大型製品のプロマネから転進

ー Asprovaに取り組むことになったきっかけは

 弊社は1999年からAsprovaのパートナーとなっています。私は1987年に入社しましたが、Asprovaに携わったのは2016年からです。それまで、大型汎用コンピュータ(メインフレーム)のOS・インフラ・ネットワークなどの構築作業に取り組み、その後、業務プロセスを総合的に取り扱う「SAP」の生産管理モジュールを担当し、大型プロジェクトのマネジャーも経験しました。

 スケジューラに力を入れようという社の方針のもと、Asprovaを担当することになったのですが、8年前は、メンバーは2、3人しかおらず、ノウノウは、初期からの担当者の頭の中に詰まっているという状況でした。そのため、ビジネス拡大よりも、まずはノウハウをドキュメント化するところから始めました。アスプローバ社の田中智宏社長の協力を得て、要員育成に重点を置きました。会社からのバックアップもあり 現在21人の体制に拡大しました。

ー お客さまとのやり取りで工夫していることは

 Asprovaは、安価なパッケージではありません。多くのお客さまは「投資に見合う効果が出るだろうか?」「失敗したらどうしよう」と考えます。導入を迷っているお客さまに対し、PoC(小規模の試行)フェーズを提案し、Fit&Gap(適合と乖離の見極め)を実施します。    また費用の捻出が難しいお客さまに対しては「松竹梅」案を提示、たとえば「無償1か月メニュー」を追加して、「味見」していただく期間を設けたりもします。そしてAsprovaの導入により、業務の属人化を防ぎ、技術の継承もできることを説明します。

 私たちは導入を始めたら本番稼働まで付き合い、最後まで逃げない、ということを心がけています。それは新人のころからたたき込まれており、日立の文化といっていいかもしれません。稼働を始めた後も、定着するまで3か月以上フォローします。

ー 印象に残っている導入事例はありますか

 導入業種は多々あり、それぞれ異なった特徴があります。Asprovaのオプション機能であるSolverが実装されてから、利用範囲がさらに幅が広がった感があります。たとえば大手の鉄道会社で、車両の点検計画システムを手がけました。交換時期に来た部品を付け替えたり補充したりするのですが、Asprovaの標準機能では難しい案件であっても、Solverで解決する道が開けました。

令和の人材育成法は…

ー チーム全体としての取り組みについて教えてください

 弊社では、OT(Operational Technology)を基軸に、現場の運用に即したシステムの提供を信条にしています。

 その中で、生産計画だけが一人歩きするのではなく、他のシステムについても十分考慮することが大事です。受注から出荷まで、多くのシステムがかかわっており、会社全体でみたら財務会計のシステムなどもあります。Asprovaを取り巻くシステムが全体最適になる方策を探ります。こうした「構想決定フェーズ」を経てから、生産計画を改善していく協議に進むようにしています。

 PoCや「要件定義フェーズ」では、実データを使用したプロトタイプを作成し、実現手段の解を出すようにしています。

ー これからの課題は何でしょう

 後進の育成が急務です。導入を希望されるお客さまが多くて、すべての案件には対応できなくなっています。新年度も要員の拡大と育成を続けます。Asprovaは簡単ではないのですが、2か月ほど勉強させたら、あとは現場投入です。リーダークラスに経験の浅いメンバーを組み合わせてOJTをやります。Asprovaのテクニックはもちろん、特に業務知識を付け、お客さまと同等の会話ができるようにしています。

 ただし、今は昭和ではありません。「明日までにやってこい」ではなく、「わからないなら、一緒にやろうか」というのが令和の育成法です。

ー 休日の過ごし方は

 オートバイが趣味で、18歳で限定解除(大型二輪免許)を取得し750ccの大型バイクを購入(1985年)。現在もそのバイクは現役で乗っています(来年40年(写真の青/白のバイク))。週末には箱根・伊豆・奥多摩あたりに良くツーリングに行きます。遠方では毎年夏休みに北海道ツーリングを楽しんでリフレッシュしています(もう30回以上行ってます)。デメリットはその地方の美味しい食材を堪能し太って帰って来る事ですね(笑)。ちなみに欲望が強くなり現在7台のオートバイを所有し、ビルトインガレージが欲しくて家を建てました。


(了)


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技術革新や予測不能な外的要因に迅速に対応できるよう製造業務においては、より一層生産プロセス全体の改善と生産効率向上が求められています。 データやデジタル技術を活用し、生産リードタイム短縮や在庫・コスト削減などを実現する製造現場におけるDX推進の一つとして、生産スケジューラの導入がカギとなります。 次のページでは、生産スケジューラ導入によって具体的にどのような業務改善が実現したのか導入企業の事例もご紹介しています。ぜひご参考にしてください。 img_banner_aps