「スケジューラをもっと楽に」 将来ビジョンを提示
2023.11.19X0:ユーザーインタビュー2023年11月2日、東京駅前のミッドタウン八重洲で「Asprovaユーザー会2023」が開かれました。新型コロナの流行以来、オンラインで行われてきたユーザー会ですが、この日は全国各地からユーザー企業の担当者が実際に会場に集まり、事例講演を聴いたり、アスプローバ社からの新機能紹介に耳を傾けたり…。コーヒーブレイクの時間には、なごやかな交流風景もみられました。
3つのチームで新規開発
田中智宏社長は冒頭、「コロナが明け、久しぶりにお集まりいただきました」とあいさつ。ドイツの「Asprovaユーザーデー」の様子を紹介しました。「先頃フランクフルトで2日間開かれ、事例発表はポーランドのバス製造会社『Solaris』(ソラリス)、世界的な電子機器会社『Jabil』(ジェイビル)、ギリシャのアルミ加工会社『Alumil』(アルミル)、さらにハンガリーの冷凍パンの会社など。およそ50人のユーザー、パートナーを合わせると90人くらい参加してくれました」と話しました。「休憩時間にはユーザー間の交流もさかんで、それを参考に今回、50分のブレイクを設けました。小さな展示会の準備もしました」と述べました。
引き続いて調味料製造のアリアケジャパンと、高圧継手製造の日本エー・エム・シーの2社から事例講演。さらにSCREENセミコンダクターソリューションズ、クラボウの2社からも発表があり、Asprovaの活用による鮮やかな成果を披露しました。
小休憩の後、アスプローバ社の最近の研究開発(開発ロードマップ)について紹介されました。3チームを編成し、従来のAsprovaの改良、Solverの開発、そしてWebviewer(ウェブビューワ)の開発を進めています。
田中社長は「スケジューラをもっと楽にすることをめざしています。導入も保守も楽に。そしてユーザー同士のコミュニティも充実させたい」と、将来に向けての展望を話しました。
さらに各論に入り、まずSolverに触れました。「初公開から2年たち、計画パラメータの設定やリスケジュール後の手修正を楽にしたいと考えています。今9種のSolverがあり、そのうちS8では、副資源を考えた納期遅れ対策ができます。開発中のS10はプロセス系のタンク繰りを解決する目的です。また11、12個目のSolverも開発中です。使いやすい汎用のSolverも開発しています」。
Webviewerについては「ウェブ経由でどこでも計画を見ることができます。製造現場から実績入力も可能です。これも『もっと楽に』という方針から。来年3月、オンプレミスで動くWebviewerを公開します。さらに計画編集機能を持たせ。いずれクラウド化も考えます」としました。
最後に「アップデートをもっと楽にしたい。今はUSBプロテクタを使っていますが、来年2月にオンラインライセンス認証を導入します。アップデート支援機能を研究しており、いずれウェブサービス化されます。ソフトウェアの提供からサービスの提供へと変わっていきます」と述べました。
ユーザー交流もなごやかに
会場には、それぞれの開発チームがブースを設け、おそろいのTシャツに身を包んだ担当エンジニアやコンサルタントが、ユーザーの質問に答えていました。
Solverのブースでは、「最適化の仕組みを説明してほしい」「雰囲気的に納期遅れも仕方がないという場合もある。あいまいな状態は数値化できるのか」といった質問が出ていました。コーヒーとお菓子も提供され、なごやかなムードの中、ユーザー同士の交流も盛んな様子でした。
ユーザー会の最後には高橋邦芳会長が登壇し、「みなさんが困っていることを教えてください」と呼びかけました。「そのために優秀なエンジニアを増やしています。これからも私たちに声を寄せてください。解決策を生み出すのが私たちの仕事です」と結びました。
なおアリアケジャパンと日本エー・エム・シーの事例講演については、別項にて内容を紹介します。また3つのチームによる開発プロジェクトについても、別項を設けております。
(了)
コラム編集部
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