エンドユーザーの方たちが計画業務で
困ってらっしゃるのを、
面でサポートしてくださるのが
パートナー企業さんだと思っています。
困ってらっしゃるのを、
面でサポートしてくださるのが
パートナー企業さんだと思っています。
Okui Satoshi
奥井 智
コンサルティングチーム
シニアコンサルタント
シニアコンサルタント
スケジューリングは製造業にとって終わりのない課題であると思っています。そういった顧客の課題に寄り添いながら、着実に前進していくためにはパートナーの助力が欠かせません。今回は顧客に寄り添った課題解決のキーとなるパートナー様のサポートを担当する、コンサルタント部門の奥井さんにインタビューを行いました。
現在の仕事内容を教えてください。
奥井
Asprovaのビジネスモデルというのは、ユーザーとメーカーである当社との間にパートナー様っていう登場人物がおります。私はそのパートナー様の開拓やサポートの業務に入社以来、17年くらい携わっています。
Asprova社にとって、パートナー企業様は、大事な存在なんですね。
奥井
すごく大事です。
それはなぜでしょうか。
奥井
メーカーである我々では難しい部分、つまり顧客に寄り添った形で課題解決し続けられる存在だからですね。
そちらをさらに具体的に教えてください。
奥井
そもそもの話になるんですが、製造業のお客様にとっては、計画業務っていうのはどの会社にもあるものなんですよね。でも、作っている製品が同じでも、会社の人が違えば計画の立て方が違ったりするんです。
だからそこの共通化、標準化は難しい領域なんですよね。
だからそこの共通化、標準化は難しい領域なんですよね。
そういう状況だったので、生産スケジューラーAsprovaが登場する前は、その計画業務の領域は未知の領域で、周りからは「どこから手を付けていいかわからない」、担当者からは「この業務の難しさをどう伝えていいかわからない」みたいな感じだったんじゃないかと思います。
ここに生産スケジュールという、製造業のユーザーの方々と、そうじゃない方々がコミュニケーションできるような共通言語、プラットフォームができたんですよね。
そして、Asprovaというものがあるんだってことで、「これはいいね」って評判が広がって、Asprovaはどんどん売れ行きが伸びていったんですよね。
ただ、実際にツールが使われるかどうかっていう別の課題もある中で、お客様に寄り添って、業務を改善していったり、課題を解決していったりするような役割は、弊社ではなかなか担えない。そういった役割を担っていただけるのはパートナー企業様だと思っています。
なるほど。
奥井
弊社はプロダクトやコンテンツは提供しますけど、お客様の課題解決においては、点でしかないんですよね。エンドユーザーの方たちが仕事の計画業務で困ってらっしゃるのを、面でサポートしてくださるのがパートナー企業さんなんです。なので、そこをバックアップすることが弊社にとっても、エンドユーザーの皆さんにとっても、もちろんパートナー企業様ご自身にとってもハッピーなことなんじゃないかなと考えています。
三方良しの関係が築けるよう、パートナー企業様との協業を大切にされているということですね。多種多様なお客様に対応できるようなパートナーネットワークを作り上げていくのが、業務の中心であると理解しました。
奥井
はい。
人を動かすのは本気度なのかなと思います
これまでの業務の中で、これは難しかったなとかこれタフだったなということは何でしょうか?
奥井
そうですね。当初、真剣にAsprovaビジネスに取り組んでくださるパートナー様がいないという状況がきつかったかなと思います。当時、製造業へのシステム営業であれば、生産管理システムとか大きなビジネスがメインで、Asprovaはあくまで他社との差別化のための添え物にすぎませんでした。でも、そういったスタンスだとAsprovaは後回しになってしまい、結局、計画業務の課題は解決されず残ったままでした。なのでAsprovaを事業の中心に据えていくパートナー様がいないと、この課題は解決できないなと当時思いました。
それは、どれくらい昔の話なんですか?
奥井
入社二年目くらいだったと思います。そこで「これは何とかしないと」と思い、ある大手パートナー企業様とスクラムを組んだんです。その結果、何十人もの専門家チームができて、みんなAsprovaで食っていけるプロフェッショナル集団が誕生しました。私よりもノウハウが豊富な専門家集団ができてしまったので、私はすることがなくなったんですよ(笑)でも、それが理想の状態かなと思います。
真剣に取り組むパートナー様がいないという課題を認識されてから解決に至るまでってどれくらいの期間がかかったんですか
奥井
2~3年くらいだと思います。
かなり根気強い取り組みだったんですね。
奥井
そうですね。自分の会社に通うよりも、そのパートナー様のところに足を運ばせてもらう方が多かったです。お客様のところに同行することもあれば、社内ミーティングに参加することもありました。
パートナー様のマインドセットはどのようにして変えられたのでしょうか?
奥井
当時のAsprovaってたかだか10人とかでした。小さいものがすごく大きなパートナー企業様を動かせたっていうのは理屈じゃないところがあるのかなと思います。言ってしまえば、本気度ですかね。キーマンの方にたまたま会えたというめぐりあわせの良さもあるんですが、他社との打ち合わせを、自社の会議よりも優先したり行動で示したのかなと思います。
パートナー様とお仕事をする上で、何か大事にしていたこととかってありますか
奥井
Asprovaを使って、パートナー企業のSEの方たちに楽しんで仕事をしてもらいたいってところですかね。そもそもSIerの人たちにとって製造現場は未知の領域だし、現場で生産計画を立てるようなベテラン社員の方とは年齢も経験も大きなギャップがあったんですよ。でもAsprovaを活用することで、お客さんと対等に会話できたり、Asprovaの機能拡張を求められたときにもしっかり提案できたり、そういうところに喜びを感じてもらえたらいいなとは思っています。
といっても生産計画の現場知識が乏しいSEの方と、工場の全てを熟知しているような生産管理の方が一緒に話すのは難しいんじゃないかと思うのですが、それに対して奥井さんがした、具体的なサポートはどんなことでしょう?
奥井
もちろんAsprova社側でも、導入ステップは用意しています。そのカリキュラムに沿ってやれば、生産管理の担当者の方と最低限のやり取りはできるようになります。でも、他者と同じじゃ面白くないじゃないですか。パートナー企業様側の視点で見ると、自社の強みを出して差別化したくなるのは当然です。なので、私はメーカーという立場で客観的にパートナー企業様の強みを言語化できますので、その観点でアドバイスさせてもらっています。例えば「この業種なら他社はノウハウを持っていませんから、提案の可能性を検討してみませんか」とか、「この業種の課題に対しては、Asprovaの機能でこう対応したらどうでしょうか」みたいな感じでしたかね。
なるほど。パートナー企業様の内部からは見えにくい点を、外部の視点から客観的にアドバイスしたり、Asprovaという強みも組み込んだトータルソリューションを提案しながらサポートしてきたという感じでしょうか。
奥井
そうですね。
それに関して、一番大変だったことはなんでしょうか?
奥井
個人的に大変だったのが、当初、フォーカスしているパートナー様の売上が上がらなかったことですね点。ただ、2年くらいでぐんとフライトして、その状態は脱しました。
2年間経った時に、何が理由でそんな急にフライトしたんですか?
奥井
きっかけとなったのは、大きなプロジェクトの成功ですね。パートナー様も初めは実績作りとして小規模な案件でトライアル的にやられるんですよね。ただ、そこを飛び越えてちょっとリスクを冒す形で大型案件に対してチャレンジしてもらって、それをなんとか成功させてていくことによって、パートナー会社様の中でも認められていき、人が集まってくる、それがフライトの流れですね。なので、私の考えたパートナー様の育成カリキュラムには、チャレンジングなプロジェクトを経験してもらうというステップがあるんです。めったにないような規模のビジネスを乗り越えてもらうと、わっと広がるんです。
チャレンジングなプロジェクトに、パートナー様が取り組もうと思われた理由は何だったんですか?
奥井
もちろんこちらも一生懸命手伝いますが、相手のパートナー様側のキーマンの方が一発やってやろうぜみたいな思いをお持ちだったということが大きいかもしれません。
なるほど。具体的に、壁をのりこえるためのサポートされたことはございますか?
奥井
そうですね、言ってしまえばパートナー様からすれば、Asprovaは他社の製品じゃないですか。自社製品ではないものを扱い、お客さんに提供するという構図は、やりづらいというのは容易に想像できます。なので、私も元SEの経験を活かして、状況を常に確認したり、進め方を提案するなどのサポートをさせてもらっていました。
1~2年後に追加購入をされると、ご評価いただいているのかな、
うまく動いているのかなと嬉しいですね
では、サポートをする上で、困難な状況はありましたか?
奥井
何度もありました。例えば、Asprovaを使っていて、想定通りのパフォーマンスとかスピードが出ないというクレームをいただいた時などですね。「早いって聞いたけど、ボタン押しても全然答えが返ってこない」と言われました。本番用のデータを入れると、そういうことはまれにあったりしますので。
なるほど。それはパートナー様側ではどうしようもないですね。
奥井
そうなんですよね。
スピードが出ない場合ってもうどうしようもないのかなと思うんですがどうやってそれを乗り越えるんですか
奥井
まずは、なんで時間がかかっているのか、ひとつひとつ理由をひも解いていきますね。大量のデータだったり、スケジュール期間が長かったり、工程が複雑だったり、情報量が多くなればそのぶん時間もかかります。なので、毎回半年分の計画を立てていたら、短期の2週間だけ立てて、たまに半年先を月1で立てる、って感じに業務を見直せばいいんじゃないでしょうか、みたいな提案もしましたね。だいたい3つくらい案を出していました。
それを2年間続けられたんですか?すごい大変でしたね。
奥井
はい。でも1~2回解決すれば、パートナー様の中でノウハウがたまり、新しい人が加わっても共有されますので、私が何かするっていうことはもうなくなっていきますね。
それが冒頭に奥井さんがおっしゃられた“パートナーをサポートする”と言うところに繋がっていくのかなと感じました。実際そうやって大きなお客さんとの案件を立ち上げた時にそのパートナー様とお客様のエンドユーザーさんとの関係っていうのは何か変化はありましたでしょうか?
奥井
実際のところ、私たちからお客さんとパートナー様の関係や、エンドユーザーの満足度は見えない部分はあるんですが、それの1つの現れとして、1~2年後に追加購入をされると、ご評価いただいているのかな、うまく動いているのかなと嬉しいですね。
その流れで、奥井さんが一番、達成感を感じたときはどんなときですか?
奥井
パートナー様の社内において、生産管理の業務を担当する方はメインではないことが多いのですが、Asprovaによって生産管理が事業になった、自分の価値を認められるようになった、という話を聞くと嬉しいですね。
ありがとうございます。自分の仕事によって誰かが幸せになるのは何よりのだいご味かと思います。
奥井
はい。
Asprovaが世界中に広まるのが夢
最後の質問になりますが、Asprovaの将来に対する思いを教えていただけますか?
奥井
Asprovaが海外に広まったらいいなって思いますかね。いわゆる失われた30年によって、日本のものづくりの評価が相対的に下がってしまったと思うんですよ。でもAsprovaっていうスケジューラがその30年を支えていたっていう風に評価され、世界でも広がっていくといいなと思っています。
なるほど。日本の製造業が世界でもう一度認められるっていう事を奥井さんとしては願ってらっしゃって、その認められる中にAsprovaを使ってっていうワードが入ってくるというのが願いなのかなと理解しました。本日はありがとうございました。
奥井
ありがとうございました。