前々項の作業分割では、下図のように、重なり方法はES(End-Start)でした。作業分割したときも運搬を小ロット化するとリードタイムはどのように短縮されるでしょうか?

運搬の小ロット化

重なり方法EES(End each-Start)とESE(End-Start each)の場合を見てみましょう。EESでは前工程が後工程のロットサイズに応じて運搬します。ESEでは、前工程のロットサイズに合わせて、後工程が作業を開始します。このケースでは、リードタイムは10-20%短縮しています。

さらに、これを1個流し生産(SSEE)にするとどうなるでしょうか? 重なり方法をESSEE(each SSEE), SSEEE(SSEE each) に設定すると、上図のようにリードタイムは50%程度短縮しました。

これでリードタイムは、固定リードタイムに比べると、50%から80%短縮されたことになります。計算上は劇的にリードタイムを短縮できることは理解できたと思います。しかし、ここで注意していただきたいのは、実際に現場が動いてくれなければ、結果は出てこないばかりか、現場が混乱するだけです。従って、この手法を用いるときには、現場のレベルアップが必須となります。

事例

奈良県の染色メーカー、ナテック様では、Asprovaの導入により飛び込みの注文やギリギリの納期変更を受け付けることができるようになり、仕事が急増しました。しかも、残業は減りました。