以下の点がポイントです。

●導入実績が豊富であるかどうか
 APS(生産スケジューラー)は非常に複雑な処理をします。また、製造現場で使えるような生産計画・生産指示ができるかどうかという点も非常に難しい点です。その意味で導入実績が少ないと、難しい処理のところでバグやトラブルが発生したり、細かい機能が実際の製造現場に合っていなかったり、導入検討時点では分からない問題点がありがちです。導入実績の豊富なソフトを選定することをお勧めします。

●利益増大に貢献するか
 APS(生産スケジューラー)は、いまや単に、人手でやっていた生産計画をパソコンがやってくれるという道具ではありません。見える化、リードタイム短縮、在庫削減、コスト削減といった最終利益に大きな影響を与える指標を改善する道具といえます。したがって、生産計画をコンピュータ化する目標として、是非とも、見える化、リードタイム短縮、在庫削減、コスト削減などの目標を設定して、目標達成を実現していただきたいのです。

●マスタ入力・メンテナンスが簡単かどうか
 導入ではマスタ(製造BOM)入力とメンテナンスが結構大変です。ですからマスタメンテナンスが簡単にできるかどうかも大きなポイントです。工場の皆さんは、EXCELの操作に手馴れている方が多いのですが、それと同じように操作できるか。また、単に、表面的にかっこいい表示に目がいきがちですが、ほんとうに運用時に大量データを管理するのに向いているのかどうかを評価する必要があります。

●標準機能が豊富である
 通常、導入時に必要な機能があるかどうかを基準にして検討しがちですが、みなさんの工場では日常的に品目が追加されたり、ラインの構成が変わったり、新しい設備が追加されたりします。したがって、導入以降もAPSの機能について次々に新たな要望が発生します。そのような時に、もともともっている標準機能が少なく、カスタマイズに頼った場合、柔軟性はありますが、「それはカスタマイズでXXX万円かかります」というような事態があとから起こり、結局は、高い買い物になります。したがって、今は必要ない機能であっても、多くの標準機能を持っているAPSが望ましいのです。

●処理の高速性
 通常のAPSはデータ量(作業数)が増えると、1作業当たりの割付け処理時間が急激に遅くなるものが多いのです。データ量が多くなるにつれて処理時間が指数関数的に増大するのです。それでは、運用中にだんだんオーダ数が多くなったり、小ロット化によりデータ量が増えた場合に、急に、処理時間がかかり、場合によっては所定の時間内に作業指示を出すことができず運用が止まってしまうこともありえます。したがって、データ量が増大したときでも、処理時間が遅くならないことは重要なのです。
 Asprovaは、1作業あたりの割付け処理時間は作業数が増大しても変わらないような高速ロジックを採用しています。

●導入支援体制は万全か
 パッケージの選定とともに、導入支援体制がしっかりしているかどうかも生産スケジューラーを評価するポイントです。弊社の販売特約店様では、10年以上の経験をもち、数十から数百のサポート経験をもつパートナーさんもいらっしゃいます。是非、このような頼れるパートナーにサポートを依頼したいものです。

●海外サポートも万全か (海外に生産拠点をもつ企業の場合)
 海外に生産拠点を持つ会社においては、当然、海外の工場にもゆくゆくはAPSを展開することを考慮されることでしょう。そのようなとき、中国をはじめとするアジア、それから、欧米にサポート拠点があるどうかということも重要なポイントです。弊社の海外の販売特約店様は、既に100以上のユーザ様をサポートし、3年から12年のサポートの経験があります。