Asprova APSシリーズの製品構成はこちらをご覧ください。

Asprova APSは、受注から製造、購買までの長期・中期・短期のスケジュール(生産計画)を作成するAPS (Advanced Planning and
Scheduling)システムです。Asprova APSは、Asprova MS,MRP, BOM, MESモジュールと受注、購買オプションの機能をすべて包含
しています。

Asprova MSは、有限能力スケジューリングを用いて、詳細なスケジューリング(生産計画)を行う生産スケジューラです。

Asprova APSは、年間販売計画や顧客からの内示オーダから生成した製造オーダを入力し、長期スケジューリングを実行します。従来、長期スケジューリングは、MRP(資材所要量展開)処理により固定リードタイムで行う方法が行われていました。Asprova APSは、最新の手法である設備や人員負荷を考慮したタイムバケットのない有限能力ラフスケジューリングを搭載しております。有限能力ラフスケジューリングを用いて長期スケジューリングを実行することにより、より高い精度の購買計画や設備・人員の負荷計画が可能となります。
長期スケジューリングの結果からKPI(Key Performance Indicators:主要業績評価指標)をKPIオプションにより算出します。年度経営計画を策定するツールとして、例えば、年度要員計画、年度設備負荷計画、年度購買計画、年度売上・利益計画、設備投資計画に活用できます。このように長期計画を最適化することにより、従来の生産スケジューラーよりも大きな導入効果が期待できます。

Asprova MRPは、MRP計算を非常に高速に処理します。スケジュールよりも所要量計算の結果を必要とされている場合には、Asprova MRPをご活用ください。

Asprova MESは、従来、計画モニターと言われていたもので、製造現場などでガントチャートを表示します。今回新たに、製造実績入力が可能となりました。

Asprova BOMは、製造BOMを入力する端末です。Asprovaの製造BOMの特徴的な機能は、パラメトリックBOMとスキルマップ(星取表)です。パラメトリックBOMは、製造BOMの中に条件式や数式を登録することにより、1つの製造BOMの登録で複数の製品を定義することが可能となります。また、オーダにオプション(例えば、色、仕向地、付属品有無)の指定がある場合でも、条件式や数式などを登録することにより、1つの製造BOMの登録で、すべてのオプションのバリエーションを定義することもできます。条件式や数式の登録は、Microsoft Excelのようにセルに登録します。従来は、プラグインなどのプログラミングが必要なケースでも、その場で式を登録するだけで、個々の問題を即解決することができます。その結果、製造BOMの登録データ量も大幅に削減できます。スキルマップは、各作業者のスキルをマトリックス状に登録して、それをスケジューリングに反映させます。従来は製造BOMの登録の中で各作業員の各作業の可能・不可能の登録をしていましたが、スキルマップを用いてマトリックス状に登録することにより、作業員のスキルに関する製造BOMの登録とメンテナンスが非常に簡単になり、登録データ量も大幅に削減できます。登録された製造BOMは、Asprova APS, Asprova MRP, Asprova MSのどれにも用いることができ、長期スケジューリングと短期スケジューリングの製造BOM情報を一元化できます。

Asprova DSは、各モジュールのデータを統合化させます。従来のAsprovaは、スタンドアロンシステムで複数端末のデータ連携ができませんでした。各担当者が自分のパソコンを用いて業務を実施しながら、Asprova DSがデータを統合させます。これにより、長期スケジュールの担当者は、Asprova APSを用い、短期スケジュールの担当者はAsprova MSを用い、製造BOMの管理者はAsprova BOMを別々に用いて、しかもデータを統合させることができます。

Asprova NLSは、ネットワーク上のパソコンを管理して、同時使用ユーザ数のライセンスを管理します。Asprova APSの使用者が自分の机のパソコンではなくて、別の部屋のパソコンからでも、ユーザIDとパスワードを入力することによりAsprova の各モジュールを使用することができます。同一企業内であれば、例えば、別の工場に出張中でも自分の工場のスケジュールを別の工場のパソコンから操作できます。

受注オプションは、受注オーダ(出荷レベルのオーダ)を製品在庫にひも付けたり、製品在庫が不足したら自動的に製造オーダを補充して、受注オーダにひも付けたりします。受注オーダのロットサイズにかかわらず、指定されたルールで製造オーダのロットサイズが決まります。製造オーダの期間まとめも可能です。特に今回の追加機能の特徴は、月単位や日単位の販売予測や顧客からの内示オーダを受注予定表(部品納入内示表)として入力し、それを日割り分割処理をして平準化生産のための受注オーダを自動生成することにより、長期スケジュールのためのデータを生成することです。また、確定オーダを登録すれば、内示オーダの代わりに確定オーダをひも付けて、内示と確定のずれの調整が可能となります。自動車部品生産への対応機能として、出荷便レベルのひも付けも行い、時分レベルで出荷を監視できます。

購買オプションは、製造オーダや受注オーダから必要な購買品の購買オーダを自動生成して、購買リードタイムをスケジュールします。結果として、購買予定表を出力します。製造オーダのロットサイズにかかわらず、指定されたルールで購買オーダのロットサイズが決まります。購買オーダの期間まとめも可能です。購買予定表の先々の部分は、サプライヤーに提供する購買内示データとなります。また、近々の部分は、サプライヤーに提供する購買確定データとなります。このように、受注の内示・確定データを取込むと共に、そのデータを利用して長期スケジュールを作成し、その結果として購買先に対する、購買内示・購買確定データを自動作成します。

重なりMAXオプションは、工程間の待ち時間の最大を制御します。たとえば工程間がある時間以上空くと品質が劣化するような場合に用います。

資源ロックオプションは、すべての後工程が終了しないと前工程の資源(設備)に別の作業を割り付けられないように制御します。たとえば前工程がタンクで液状のものを次工程に流し込みながら処理する場合などに用います。

最適化オプションは、納期を睨みながら、同一品目、同一品目グループなどを連続して生産するように作業の並び順を最適化します。これにより、納期遵守率を維持しながら、品種切換え回数や段取り時間の減少が可能となります。

イベントオプションは、定期的、不定期的なメンテナンスや洗浄の作業を自動発生してスケジューリングします。半導体工程や化学プロセスなどにおける洗浄、液替えのスケジューリングや、金型の保証ショット数の管理が自動化できます。