デマンドプラニンング(需要計画)

サプライチェーンマネジメントソフトの一つ。サプライプランニングに相対するコンセプトで、サプライプランニングを立てる前段階のプランニングフェーズとなっている。


 デマンドプランニングは、SCMソフトのカテゴリーとしてディストリビューションプランニング(物流計画)、トランスポーテーションプランニング(輸送計画)、マニュファクチャリングプランニング(製造計画)などのサプライプランニングとともに、ソフトウェアプロダクトのモジュール名としてデファクトスタンダード(事実上の標準)になっているといえよう。デマンドプランニングはサプライプランニングに相対するコンセプトで、これを同時並行でプランニングするのがコンカレントプランニングである。
 デマンド(需要)は予知できない不確定要因をもっていると同時に、サプライサイドで作り出せる側面もある。デマンドを予知して(需要を予測して)サプライ計画(生産計画)を立てることも、サプライ能力に合わせて価格政策を含むマーケティング政策によりデマンドを創出することも、サプライチェーンマネジメントによるキャッシュフローを上げる目的となる。
 SCMソフトベンダー各社が定義するデマンドプランニングのカテゴリーは、需要予測と販売促進活動との連動、販売計画の地域別・チャンネル別・顧客別予測と統合、生産計画や資材調達計画など、社内外でのデータ共有の機能を含んでいる。過去の販売戦略とその結果を経験として畜積し、将来の販売戦略に対する需要予測(販売予測)を統計的・数学的アルゴリズムを駆使してソフトに反映させている。サプライチェーンを構成する一つの企業組織を越えて、こうしたデマンドプランニングデータを共有するためのツールが「デマンドプランニング」ともいえる。
 したがって、各SCMソフトベンダーは需要予測精度のアルゴリズムや、EDI、インターネットを通じた情報共有、そして自動的なアルゴリズムとプランナーの判断業務との相互作用によって、過去の経験を最大限に生かしながらスループット(売上)を上げるためのさまざまな販促活動を需要予測(または販売目標)にシンクロナイズする方法論を提供しようとしている。
 現状のデマンドプランニングは、サプライプランを立てる前段階のプランニングフェーズとして位置付けられているが、さらに、販売力がボトルネックとなる場合は、販売力を上げるための支援ツールであるSFA(セールスフォースオートメーション)などとの連結が、つぎのサプライチェーンマネジメントのために必要になる。
 情報技術による問題解決ではないが、販売活動におけるサプライチェーン上のボトルネックの発見とその対策は経営活動そのものであり、市場や競合分析によるビジネス分析によって、解(ソリューション)を導くことができる。