ALOW-LS
チームワークの重要性を説いたロジスティックス構築法で、サプライチェーンマネジメントと同様の性格をもつ。製品資源と技術資源の同期化を経営課題としてとらえている。
ALOW-LSは、株式会社ニックスシステム研究所(代表:吉原賢治氏)が開発した、ロジスティックスシステム構築法で、吉原氏の三〇年に及ぶ日本の大手企業へのコンサルティング経験を集積したビジネスロジスティックス手法である。このビジネスロジスティックスはサプライチェーンそのものであり、ビジネスを生き物として認識する複雑系のモデル化手法と共通点がある。サプライチェーンマネジメントで、「資材の調達から顧客への納入まで」という限り、生き物として永続させる視点からすると、一つの断面を見ているにすぎない。
吉原氏のモデルは、資材の調達から納入までを製品資源系ロジスティックス(LS1)として横のサプライチェーンと見なし、このLS1を企画し構築する経営技術資源系のロジスティックスをLS2として、縦のサプライチェーンとしている。永続しなくてはならない企業が、新製品や新事業および概念を連続的かつ最大に経営資源と同期化させることは、経営戦略の課題である。
ビジネスモデルとしては、サプライチェーンを生み出すものがなければ、企業も産業も成り立たない。サプライチェーンマネジメントが、企業内の組織の壁や企業間の組織の壁をとり払って全体最適を目指すように、時間軸についてさらに長いサイクルタイムでみれば、研究開発、製品企画、工場建設などのプロジェクトも含めた経営資源の同期化が、生き物としての企業の活力を強化させる。また、市場動向を見て、競合の動きを見て、いつどのような製品を市場に投入し、また販売を中止させるかというプロダクトサイクルのマネジメントも、経営の重要課題である。
吉原賢治氏は、資材調達・生産・販売における全体最適のチームワークの重要性を体験するためのロジスティックスシミュレーションを、三〇年以上前に開発していた。
いわく、「各人各組織が独立に努力しても、何の役にも立たない。チームワークのよい総合管理が重要である」