ディストリビューションプランニング

デマンドに対して製造と物流というサプライチェーンオペレーションを支援するソフト。物流所要量計画に相当する機能を、制約下でモデル化することを狙つたサプライチェーンのモジュール。


 ディストリビューションプランニングは、従来のDRP(物流所要量計画)に相当する機能を、より詳細なレベルの制約下でモデル化することを狙ったサプライチェーンマネジメントのモジュールである。全体最適なサプライチェーン計画を評価するためには、複数の代替資源、代替生産、代替輸送手段をモデル化し、ROA(対資産利益率)を対策案の評価指標として使うことができるかどうかも一つの判断基準になる。また、物流コストや納期達成率などの顧客サービスレベル、物流計画が評価選定に使えるかどうか、そして生産手段や輸送手段の複合的サプライチェーン計画が、トラックの積載能力、船便や航空便の現実の制約をモデル化して実現できる機能があるかどうかも重要なポイントになる。
 SCMベンダー大手のi2テクノロジーズ社のDP(ディストリビューションプランニング)、マニュジスティックス社のSP(サプライプラニング)は、サプライチェーンプランニングの中でほぼ同じ目標をもっているようにみえる。どちらも、製造と物流を統合して、サプライチェーンの全体最適を多岐にわたる制約下で実現することを狙っている。
 ディストリビューションプランは、デマンドに対して製造と物流というサプライチェーンオペレーションを支援するソフトである。
 計画作成のサイクルタイムが短かいほど、刻々と状況が変化するデマンドや、製造・輸送上の能力などの制約の変化に、フレキシブルに対応できる。デマンドの変化に追随する供給計画がディストリビューションプランまたはサプライプランニングであり、それは製造・販売・流通拠点におけるオペレーションのスピード(何を、どれだけ、いつ作るか、出荷するか)を決定することである。
 その目的は在庫を最小にし、リードタイムを最小にし、販売の機会損失を最小にしてキャッシュフロー(スループット)を上げることである。制約ベースのサプライチェーンマネジメントは、正確なモデル化と戦略的導入が成果を生む。