トランスポーテーションプランニング

輸送計画を支援するサプライチェーンマネジメント。輸送手段の切換えや接続、同期化計画などによって、輸送コスト、輸送時間を最適にする。


 SCMベンダー大手のi2テクノロジーズ社も、マニュジスティックス社もトランスポーテーションプランニングの製品カテゴリーをもっている。それらは、サプライチェーンプランニングの中の具体的な在庫地点から別の在庫地点への輸送手段の決定を含む輸送計画を支援するものである。これは、ディストリビューションプランニングよりもっと詳細なレベルのサプライチェーンマネジメントである。
 トランスポーテーションプランニングは、交通システムをアナロジー(推論)したサプライチェーンマネジメントのように、輸送手段の切換えや接続、同期化(乗り換えのシンクロナイゼーション)計画によって、輸送時間(リードタイム)が大きく変わってくる。そのため、コンテナなどの積載能力、コンテナ船やトラック、定期航空便のダイヤ編成などと、運輸会社や3PL(サードパーティロジスティックス)のもつ輸送能力枠、そして倉庫のスペースや立地、輸送ルート別の輸送時間などが、制約としてモデル化されていなければならない。たとえば、船便の待ち時間は能力待ちの在庫となり、リードタイムを長くする要因となるというように。
 したがって、輸送手段を切換えるための代替リソースなど、サプライチェーンのモデル化のためのデータベースをどれだけもっているかどうかが、輸送コストと時間を最適化できるかどうかになる。
 ここでは、サプライチェーンマネジメントソフトを有効に活用できるかどうか、意志決定の自由度、輸送手段、積載方法、配送頻度、ロットサイズなどが、どこまでモデル化できるかが重要である。またこの自由度の大きさは、最適化のアルゴリズムの多様性にも関係しており、AI(人工知能)方式のルールベースか、混合整数方式か、遺伝的アルゴリズム(GA)かなど、いろいろの手段から選択できるようにする必要がある。
 トランスポーテーションは、工場内のオペレーションに匹適する複雑性をもっている。